『ダジャレーヌちゃん 世界のたび』 刊行記念トークイベント

レポート#2

この記事は約5分で読めます by 小熊雅子

『ダジャレーヌちゃん 世界のたび』の刊行記念トークイベントのレポート#2をお送りします。お話をうかがったのは、絵本の文を担当された林木林さん、絵を担当されたこがしわかおりさん、そして、内田麟太郎さんをゲストにお迎えしました。
(上の写真は右から、内田麟太郎さん、こがしわかおりさん、林木林さん、小熊。)

作家プロフィール(ページ下部へ移動します。)

世界の国々の空気感を描く

『ダジャレーヌちゃん 世界のたび』の絵を描かれる時に、こがしわさんは海外の映画をすごくたくさん観て、それぞれの国の雰囲気をつかんだとおっしゃっていました。

小熊

もしかして変なふうに誤解している方がいるかもしれないんですけど、世界中取材して描いたんだろうなと。そんなことはないです。

こがしわ
Book House Caféにて開催された、ミニ原画展のようす。
(期間2019年10月24日〜11月21日)

予算が…(笑)。

小熊

資料はたくさんいただいたのですが、例えばフランスなら、パリでダジャレをくちずさんでいるっていう状況を自分で体感できないと、上手く描けないような気がして。どうしたらいいかなと考えた時に、やっぱり映画かなって。それぞれの国の人たちが、街をどんなふうに歩いてどんな空気が流れているかとか。もうひたすらフランス映画を借りてきて朝から晩まで観る。インドになったらインドの映画を。インドの人が絵を見た時に、私からの愛が感じられればいいなというか。とにかく一生懸命映画を観ました。

こがしわ

原画をいただいた時に、その国の湿度とか温度とか、そういうものをすごく感じて、絵の中にスッと入っていける感じが、素晴らしいなと思いました。

小熊

映画には、大体音楽がついていますが、海外の映画には現地の音だけを聞かせるというものもあります。今は、スマホなどで簡単に再生できるので、その国の音楽をかけて絵を描いたり。そもそも私は、何にもない無音の状態で真っ白の紙に向かうのが怖いタイプで。音楽がかかると自動筆記状態みたいになって、線が描けるっていう(笑)。人に絵を描かせちゃったりもできる、音楽って素晴らしいなって思いました。

こがしわ

文はダジャレうたになっているのですが、絵もリズムに乗って筆が進んでいたのですね。

小熊

ちょっと聞いていいですか? 林さんは、仕事をしている時に音楽を聴きますか?

内田

ああ、それ聞きたい。

こがしわ

聴かないことが多いですね。でもカフェで仕事する時が多いので、店で何かの音楽はかかってるんですけど。でも、それはほとんど聴いてないですね。

私はデザイン、絵、文章など、いろんな仕事をするのですが、たしかに文章を書く時は、音楽がちょっと邪魔な時がありますね。デザインと絵に関しては、音楽がないとできないかもしれないです。今回絵を描きながらすごくいろんな映画を観て、いろんなメキシコの音楽、インドの音楽、タイの音楽などを聴きました。もう全部ほんとに素晴らしくて、人間を活かしている音楽ってすごいなって。だからこの絵本の絵にも、本当に音楽が染み込んでいます。

こがしわ

 音楽と詩のリズム

実はダジャレ詩には、隠しテーマというか、曲にのせて歌えるものがあるんですよね、林さん!

小熊

今回は3つです。もうちょっと増やそうかっていう話もあったんですけど、探してみたら、一般に知られていない曲が多かったので3つに。

ロシアは、ロシア民謡の『1週間』という曲で歌えるようになっています。メキシコは、民謡が元になっている『ラ バンバ』。『ラ バンバ』のリズムに乗って、「おどらんば ラバンバ♪」と口ずさむことができます。あと、もう1つはアメリカ。大リーグの試合で流れている曲で……。

小熊

『私を野球に連れてって』です。

そうそう、そうでした。

小熊

それも元の映画があるんですよ。その曲が全編に流れている、ミュージカルですよね。とっても面白い映画です。

こがしわ

実は、ダジャレーヌちゃん第2弾を今計画中で、その時にはもう少し全体的に、それぞれの国の音楽に沿って詩を作りたいなと考えています。民謡の曲に当てたりして。

たしかにダジャレーヌちゃんが、その国のリズムにのって、ダジャレ詩を歌いながら街を歩くと、よりその国の雰囲気が出ますね。

小熊

もちろん、自分で好きな風に曲をつけて歌ってもいただいても楽しいのですが、そこはハードルが高いって思う方もいるし。最初から曲がついているほうが歌いやすかなと。それをきっかけに、世界の音楽を知ってもらえたら、さらによいかと。

ダジャレーヌちゃんの絵本、第2弾では、そのあたりも考えていきましょう。それと、今、エヴァンゲリオンのシンジ役などをされている声優の緒方恵美さんに、4か国分の文章を読んでいただいていて、アニメーション作品※を制作しています。303BOOKSのサイトで公開しようと思っていますので、楽しみにしていてください。

小熊

※現在以下で公開中
http://dajaline.303books.jp

絵本は、ご家庭では普通に節をつけて読んでいただいたりして、お子様と楽しんでいただきたいと思うのですが、 絵本と動画のコラボなど、他の楽しみ方も新しい取り組みとして考えていきたいなと思っております。

小熊

レポート#3


作家プロフィール

はやしきりん
林木林

山口県生まれ。詩、絵本、童話、作詞などで幅広く活躍中。詩のボクシング全国大会優勝。『ひだまり』で産経児童出版文化賞産経新聞社賞受賞。詩集に『植星鉢(ぷらねたぷらんた)』、絵本に『おちゃわんかぞく』、『こもれび』、翻訳絵本に「ぜったい あけちゃダメッ! 」シリーズ、『でんごんでーす』、童話に『二番目の悪者』などがある。

    こがしわかおり

    1968年埼玉県生まれ。イラスト、デザインの分野で活躍中。装画・さし絵に『ちいさなおはなしやさんのおはなし』、『料理しなんしょ』、『ぼくたちはなく』、『魔女のレッスンはじめます』、『だれも知らない葉の下のこと』など多数。作・絵に『ツツミマスさんと3つのおくりもの』、『おうちずきん』などがある。

      うちだりんたろう
      内田麟太郎

      1941年福岡県生まれ。詩人、絵詞(えことば)作家。『さかさまライオン』で絵本にっぽん賞、『うそつきのつき』で小学館児童出版文化賞、『がたごとがたごと』で日本絵本賞、詩集『ぼくたちはなく』で三越左千夫少年詩賞を受賞。他に「おれたち、ともだち!」シリーズなどがある。

        取材協力
        Book House Café
        東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F
        「神保町」駅より徒歩1分
        神保町で唯一の新刊の子どもの本(絵本・児童書)専門店。約11,000冊を揃え、子ども連れに嬉しいカフェスペースやキッズスペースがある。ギャラリーでの展示やイベントも多く開催している。

        CREDIT

        クレジット

        執筆・編集
        『ダジャレーヌちゃん 世界のたび』の担当編集者。好きなものは、絵本・紙芝居・銭湯・目玉焼き。最近ジョギングに目覚め、10kmマラソンに参加することが夢に。
          撮影
          千葉県出身。どんな趣味も一年であきてしまう45歳。最近始めたジョギングにいたっては冬を越せるか心配中。チーバくんとパンダが好き。
          撮影
          某研究学園都市生まれ。音楽と東京ヤクルトスワローズが好き。最近は「ヴィブラフォンの入ったレアグルーヴ」というジャンルを集めて聴いている。