旅を振り返る-TIME TRIP-

新型コロナウイルスに翻弄された中央ヨーロッパ編(後編)

この記事は約5分で読めます by 上薗紀耀介

こんにちは。編集アシスタントの上薗です。旅が好きで、安い航空券とホテルを駆使して年に数回は国内・海外問わずふらふらしています。前回はプラハ、ウィーンを訪れた様子をご紹介しました。新型コロナウイルスに翻弄されながら、無事日本へ帰国することができたのでしょうか。

バックナンバー

旅を振り返る-TIME TRIP-

新型コロナウイルスに翻弄された中央ヨーロッパ編(前半)

4.クロアチアを断念し、急遽ギリシャのアテネへ

ウィーン滞在中に現地駐在員のTwitter情報やたびレジ情報から判断し、クロアチア行きを諦めます。クロアチア国内を飛行機で移動するので、空港で足止めされる可能性があることや、入国規制が厳しくなっていることが主な理由でした。クロアチアのザグレブやドゥブロブニクは今回の主要目的地でもあったため残念です。

その代わりに入国規制がまだ比較的緩いギリシャのアテネへ目的地を変更しました(スカイスキャナー※で安いチケットを見つけたからというのもあります)。アテネへのフライト搭乗前にメールを確認すると、日本からクロアチアへ入国する場合は14日間の自主隔離が必要になったとの知らせが。危なかった…。目的地を変更して正解で した。

その後無事にアテネへ到着。3日間観光しました。

※スカイスキャナー(Skyscanner) = 格安航空券の比較・検索サイト。リアルタイムの価格を検索できる。海外旅行の航空券は主にこのアプリを使って購入している。

ハドリアヌスの図書館。アテネのアクロポリス周辺には様々な遺跡がある。
パルテノン神殿。一度は見たいと思っていた遺跡のひとつ。修復中で足場が組まれていたのが少々残念だった。
ギリシャはとにかくグラフィティや落書きが多い。街中や公園、電車まであらゆる場所にグラフィティが描かれている。
近代オリンピックがはじめて開催されたパナシナイコスタジアム。2020年東京五輪の聖火引継式もここで開催された。その聖火はいまどこで保管されているのだろうか。
パルテノン神殿からアテネ市街を眺めた様子。白い建物が美しい。
日帰りで行くことができるアテネ近郊のイドラ島。ギリシャはサントリーニ島が有名だが、イドラ島でも十分に青い空と海の雰囲気を味わうことができる。
鮮やかな小型ボートの色と、青色の対比が映える。島には小さな港がいくつかある。
ギリシャ名物のスブラキ。小さく切った肉を串焼きにした料理。FIXビールはギリシャで最も歴史のあるビール。
イドラ島の港を眺めながら食べるランチ。香りにつられて猫が近寄ってくる。

5.ハンガリーのブダペストへ、非常事態宣言で閉まる観光地やお店

ギリシャのアテネからウィーンを経由し、ブダペストへ1日で移動します。ウィーンからブダペストは鉄道を利用しました。そして、列車の中でスロバキアの国境封鎖を知ります。

ホテルに到着するとフロントの人が「よく来たわね!でもいま非常事態宣言で観光地とかお店とか閉まってるわよ?このクレジットカードの機械も壊れちゃって…ウイルスに感染したのかしらね!現金で払って!」とのこと…。

そろそろ影響が出てきたかと思いましたが、その後2〜3日間観光してみると、閉まっているお店もまだ少なく、快適に周ることができました。ただ、蚤の市は閉まっている店も多く、少し残念な思いをしました。

ブダ城からの眺め。ドナウ川を挟んでブダ地区とペスト地区に分かれる。左奥に見える建物は国会議事堂。
ブダ城の一部分。新型コロナウイルスの影響なのか、閉まっているお土産店などもあった。また、アジア系の観光客を見かけなくなった。
ブダペストを走る路面電車。チェコのプラハやオーストリアのウィーン、スロバキアのプラチスラヴァにも路面電車が走っていて、それぞれ色や形に特徴がある。
中央ヨーロッパで最も規模が大きいと言われる蚤の市、エチェリ。骨董品がほとんどで、値切り交渉もできる。週末にも関わらず開いているお店は少なかったが、ヴィンテージのホーローマグカップとガラス瓶などを購入した。
ブダペストは古着屋が多い。チェーン店やリサイクルショップのような店がほとんどだが、ここはセレクトや内装にこだわりがあった。
Central Cafeのケーキセット。ヨーロッパのケーキは甘い。

6.チェコが国境を封鎖し、ポーランドも空港閉鎖、帰りの飛行機に乗れなくなる

ブダペストに着いた日、スロバキアの国境封鎖に続いてチェコが国境を封鎖するというメールが届きました。明日までにチェコに入国しなければ、ビザを持たない外国人は陸路で入国できなくなるとの事です…。

もともと帰りはブダペストからプラハまで鉄道で移動し、プラハ-ドーハ-成田の復路フライトに乗る予定でした。しかし、鉄道を予約しているのは3日後…国境が閉鎖された後なので、キャンセルになってしまいます。

なんとしても帰りの飛行機に乗らなければ!と思い、別の手段を探しましたが、翌日までにチェコにたどり着くためには鉄道では時間がかかります。今日到着したのに、翌日ブダペストを後にするのはもったいない…と思い、2日後に飛行機を使ってブダペストからポーランドのワルシャワ経由でプラハを目指すことにしました(プラハの空港は国境封鎖後も動いていました)。

しかし翌日、ポーランドが空港を閉鎖するというメールが届きます…乗り継ぎも不可能との事で、チェコに入国する手段がなくなり、帰りの飛行機に乗れなくなってしまいました。

そして、オーストリアにも緊急事態宣言が発令…国境封鎖はありませんが、いつ空港が閉鎖されてもおかしくない状況です。ハンガリーも非常事態宣言下で不安定な状況…これは早めに帰国するしかない…と判断し、ブダペスト-ドバイ-成田の航空券を取り直します。片道で当初の往復チケットとほぼ同じ値段…痛い出費でした。

翌日までブダペストの観光を楽しみ、空港へ向かいます。無事に搭乗することができ、ドバイでの乗り継ぎも予定通り、3日早い帰国となりました。成田空港では厳しい検査があるかと思いきや…特に何もなく終わります。海外からの帰国者へ14日間の自主隔離要請が出たのはその1週間ほど後でした…。

新型コロナウイルスに翻弄された旅でしたが、5都市を周遊することができました。いちばん好きだったのは急遽行くことになったギリシャのアテネ。白いパルテノン神殿と雑多な街の対比が面白かったです。今年中にトルコ-エジプト-モロッコを巡る予定でしたが、無理そうです。またいつか旅に出られる日を気長に待ちたいと思います。

バックナンバー

旅を振り返る-TIME TRIP

「流氷に出会うのは難しい」

CREDIT

クレジット

執筆・編集・撮影
長崎生まれ。東京育ち。趣味にお金をかけるため埼玉在住。編集アシスタント、デザイナー、予備校講師、不動産仲介などさまざまな仕事をしているため「本業はなに?」とよく聞かれるが、特に本業はない。