旅を振り返る-TIME TRIP-

新型コロナウイルスに翻弄された中央ヨーロッパ編(前半)

この記事は約5分で読めます by 上薗紀耀介

こんにちは。編集アシスタントの上薗です。旅が好きで、安い航空券とホテルを駆使して年に数回は国内・海外問わずふらふらしています。ここでは今年の3月に出かけた中央ヨーロッパ、新型コロナウイルスに翻弄された旅の様子を紹介します。

3月上旬、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックが囁かれていた頃、私は成田空港でフライトを待っていました。今回の旅はカタールのドーハを経由しチェコのプラハへ、その後オーストリアのウィーン、クロアチア、ハンガリーなど中央ヨーロッパの都市と世界遺産、蚤の市を巡る18日間の予定です。最初のうちは予定通りに進みましたが、旅の後半は国境封鎖や非常事態宣言などもあり、目的地の変更や早めの帰国をしなければなりませんでした。

1.ドーハで知るクロアチアの入国制限強化

ヨーロッパへ向かう途中、アジアの上海や仁川、中東のカタールやドバイなどで乗り継ぎを利用することも多いと思います。航空券が安いのはもちろん、直行便で十数時間も続けて座っているのは辛いものがあります…。

当初は上海経由の往復航空券を予約していたのですが、新型コロナウイルスの影響でフライトがキャンセルになり、中東経由の往復航空券を予約し直したところから始まります。今回の旅では計13便ものフライトが変更やキャンセルとなりました…。

成田-ドーハ-プラハのフライトはスカイトラックス※で1位になったカタール航空です。機内食が美味しいという感想しかないのですが、機内ではお酒を飲んだり映画を観たりして過ごしました。早朝にドーハに到着し、スターバックスでコーヒーを飲みながらメールを開くと、たびレジ※からメールが…目的地のひとつ、クロアチアの入国制限が強化されるとのことです。

クロアチアはもともと入国制限がありましたが、それが強化され、日本からの入国者は空港での体調検査、滞在中は毎日クロアチアの保健所に電話で体調を報告しなければならないこと(もちろん英語で)との通達でした。これは厳しいです…とくに英語での体調報告はI’m fineでは済まされない気がします。しかし既にクロアチアに行く飛行機やバスのチケット、ホテルなどは予約済みです…。困ったな…と思いながら、しばらく様子を見ることにしました。

※スカイトラックス(S​kytrax​) = 航空会社を格付け調査する会社。ワールド・ベストエアライン2019ではカタール航空が1位を獲得。

※たびレジ = 日本の外務省が国外への渡航者向けに発信している安全情報サービス。メールで情報を受け取ることができる。

2.チェコへ入国、プラハを観光

ドーハでフライトを乗り継ぎ、チェコのプラハに到着しました。機内ではほとんどの乗客がマスクをつけていましたが、空港を出るとマスクをつけている人はいませんでした。後にチェコはマスク着用が義務となりますが、当時は誰も気にしていなかったようです。入国時は健康チェックやサーモグラフィー検査なども無く、少し拍子抜けしたのを覚えています。プラハは肌寒く、小雨混じりのどんより曇ったヨーロッパ特有の天気で、UBER※を手配し市内へ向かいます。その後、2日間プラハを観光しますが、アジアからの観光客が少ないな…と感じるくらいで、特に新型コロナウイルスの影響を感じることもありせんでした。

UBER = 配車サービスアプリ。事前にクレジットカード情報を登録することで、現金を介さず支払いができる。また、目的地を地図上で検索・指定し、料金も知らせてくれるので、ぼったくりの心配がなく便利。似たサービスに東南アジアを中心に展開するGrabがある。

プラハの有名な観光地、モルダウ川に架かるカレル橋。最近では500mのテーブルが設置され、新型コロナウイルスさよならパーティーが開催されたことで話題に。聖人像が30体並んでいる。奥に見えるのがプラハ城。
モルダウ川を行き交う遊覧船。夏季シーズンはウィーンまでクルーズ船も出ている。
観光客が必ず訪れるであろうカフェ・ルーヴルの七面鳥フライ。チェコはビールも有名で、どの銘柄も美味しかった。

3.鉄道でオーストリアのウィーンへ

プラハからウィーンへは鉄道で移動します。ヨーロッパ国内の移動は鉄道・バス・飛行機が主な手段です。バスやLCC※が安いのですが「世界の車窓から」に憧れをもつ身としてはどうしても鉄道を選びがちです。そして、シェンゲン協定※内はパスポートチェック無しで移動できるので、とても便利です。ヨーロッパの鉄道や地下鉄は改札が無いので、切符を買い忘れないように注意が必要です。また、時間帯によって値段が変動するので、今回は前日にチェコ鉄道のWebサイトで安いチケットを購入しました。ウィーンまで4時間弱の鉄道の旅、席を探すのに手間取りましたが、なんとか到着することができました。ウィーンは観光地でホテルも高いため、Airbnb※を利用しました。管理人方は優しく、RIMOWAの104Lサイズのスーツケースを3階まで運んでくれました。ありがとう…。

※LCC(Low-cost carrier) = 格安航空会社。ヨーロッパではRyanairやeasyJetなどがある。片道数千円も珍しくないが、荷物制限や座席確保が日本より難しいことや、ほぼWebチェックインしかないので難易度が高い(まだ使ったことがない)。

※シェンゲン協定 = ヨーロッパの国家間を国境検査なしで移動できる協定。

※Airbnb = 民泊を貸す人・借りる人のためのウェブサイト・アプリ。立地や人数によってはとてもリーズナブルに借りることができる。

フンデルトヴァッサーハウス。シェーンブルン宮殿やベルヴェデーレ宮殿はもちろん有名なのだが、ハプスブルク家の栄華に疲れたひとにはこちらもおすすめ。
ウィーンを代表する観光地、シェーンブルン宮殿。庭園も含めて世界遺産に登録されている。日本人観光客も多く見かけた。
滞在先の近くのカフェRamasuri。朝ごはんが美味しかった。ヨーロッパはパンとハム、ポテトが美味しい。
ウィーン名物のザッハトルテ。とても甘い。
ナッシュマルクトの蚤の市。もともとは食材をあつかうマーケットだが、週末になると骨董品やがらくた品をあつかう人たちが店を出す。オールドガラスや陶器、食器など何でもあり、値段交渉をしながら買う。イタリアのオールドグラスやポパイの人形などを購入。
ウィーンから1時間ほどで訪れることができるスロバキアの首都、プラチスラヴァ。観光名所も市内にまとまっていて、半日あればまわることができる。写真はプラチスラヴァ城からの眺め。

新型コロナウイルスに翻弄された中央ヨーロッパ編(後編)

CREDIT

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執筆・編集・撮影
長崎生まれ。東京育ち。趣味にお金をかけるため埼玉在住。編集アシスタント、デザイナー、予備校講師、不動産仲介などさまざまな仕事をしているため「本業はなに?」とよく聞かれるが、特に本業はない。