書店クエスト

愛がなければ

この記事は約5分で読めます by 野田浩樹

こんにちは、野田です。

のだひろき
野田 浩樹

東京生まれ。ブルーベリーを育てる事と動物が好きなナイスガイ。世界ネコ歩きは毎週欠かさず見ている。プログラマーをしていたはずが、なぜか47にして営業に。

    前回のブログにヒヨドリのことを書きました。「多分この原稿を社長に提出してOKもらったあたりで軒下に帰ってきてピーチクパーチクやり始めると思います」と書きました。はい、そうです、戻ってきました。社長からOKが出てから30分くらいで戻ってきてピーチクパーチクやり始めました。ほらね、としか言いようがありません。ちなみに写真を撮ろうとしたら逃げました。そういうとこだぞ。

    そんなわけで相変わらずネタがないテレワーク中なので、今回も別業種の営業の話を。いや嘘です、嘘をつきました。テレワーク中じゃなくてもネタに困っています。テレワーク中なのでますますネタに困っているだけです。なのでこの状態が回復しても書店営業に関係ない話を書いてたら「あー、ネタがないんだなー」と思ってください。読み返してみるとランチの辺りですでに兆候が…。

    いや、さらに言うと書けないネタならあるんですよ。今回のコロナ騒ぎで発売延期してる本の話とか、某〇〇で見かけた色々すごい方の話とか。こっちに歩いて来るのを見ただけで「〇〇〇がキタ!?」と脳内で叫んでしまったくらいすごかったんですが、こんなこと伏字をはずして書けるわけない。私も大人なので。少なくとも見た目はおっさんなので。たとえ心は少年でも書けません。心っていうか精神年齢っていうか。

    そんなわけで(2回目)別業種、リフォーム業者さんの営業の話です。何か御用はありますか? と来たので、お風呂の窓が壊れていて交換できないかと尋ねたら技術の者を呼んで見積もりをさせる、とのこと。で、その見積もり結果を持ってきた時の話です。

    窓の交換ですが、まずあの窓は古くて今の規格に合っていないので、窓枠の周りの壁を切断する必要があります。

    リフォーム業者さん

    え、そんなことになるんですか。

    野田

    ですが、もし窓枠周りを支えている柱が腐ってたりすると、柱もごっそり交換しなければなりません。もう風呂場丸ごと交換になりますね。その場合はユニットバスになるのでお値段は約160万円です。

    リフォーム業者さん

    (え? そこまで大ごと? というか、柱が腐ってること前提?)

    野田

    ユニットバスはこういう感じで~

    リフォーム業者さん

    ユニットバスのカタログを見せてきて説明を始めてます。こちらとしては窓の交換を頼んだだけだったのですが、いきなりの超展開です。いやー、ちょっと説明不足過ぎでは? ということで聞いてみました。

    すみません、ユニットバスの前に。柱が腐っているのですか?

    野田

    それは壁を切ってみないとわかりませんね。

    リフォーム業者さん

    (わかんねーのにユニットバスかYO!)

    野田

    ただ、いくつかのタイルにヒビが入ってましたよね? あそこから水が染み込んで腐ることがちょくちょくあるんですよ。

    リフォーム業者さん

    正直リフォーム業者さんの願望を聞かされているような・・・。腐ってるといいな♪ と心の声が聞こえた気がしましたよ。

    窓枠の交換だけなら50万円くらいですかね、でももしその工事中に柱が腐っていることが判明してユニットバス工事に切り替えたら、最初からユニットバス工事するより高くなりますよ。

    リフォーム業者さん

    どのくらいになるのですか?

    野田

    最初からユニットバスの工事であれば約160万円といいましたが、途中で切り替えての工事となると、約210万円くらいですね。

    リフォーム業者さん

    約50万円の差額。工事期間が長くなるならまあわかるんですけど、その差額の意味が正直わかりません。

    どうします? 柱はかなりの確率で腐っていると思いますよ? 最初からユニットバス工事することをお勧めしますよ。

    リフォーム業者さん

    金額の話もあれですが、願望を聞かされてる感が強すぎてちょっとねえ。本当のことかも知れないのですが、最初に不信感を持つと疑わしさが止まらない。これはあれですね、『相みつ決定!』ですね。あとはこの場でどうお引き取り願うか。ここは魔法の呪文で帰ってもらうとしますかね。

    お話はわかりました。ただ、正直言ってまさかそんな大ごとになるとは思ってなかったので『お金がありません』。よく検討もしたいので、考えさせてください。

    野田

    ローンも可能ですよ?

    リフォーム業者さん

    食い下がります。食い下がってきます。しかしですね、私も世間でもまれました。散々色々な目にあってきました。リボの恐怖とかね、ネトゲで外国人と口喧嘩したりね、色々経験したわけですよ。ローンという言葉が魔法の呪文だと思っている内はまだまだ青いと言わざるを得ない(上から目線)。教えてあげよう、ローンという言葉に対する最高の返しを。

    ローンは嫌いなんで。

    野田

    これ。強引な話に対する最高の返しは、理屈じゃなくて感情論なのだよ。だって説得できないんですもの。満点の回答だったんじゃないでしょうか。もうちょっと格好つけて「ローンは主義じゃないんで」と言ってもよかったかな、より格調高く。

    そんな感じでこのリフォーム業者さんにはお引き取り願いました。この人の後に前回の水道屋さんが来たので、ちょっとこの話法の差にびっくりしちゃって営業について書いてみました。やっぱり強引過ぎる営業は基本的にアウトですね。自分がやられるとよくわかります。不信感を抱かせちゃうので、たとえ本当の話でも聞いてもらえなくなりますね。

    それに対して水道屋さんの方は愛を感じましたね。やっぱり営業は愛なんじゃないでしょうか。というわけで某超人アニメの歌詞っぽいタイトルなんですが詳しく書くと某組織に〆られて金額が発生するのでこれ以上書けませんが。

    思い返してみると、書店さんで本を購入する際、愛に溢れたポップを見て「ほんとか? 信じていいのか?」と思いながら購入したことが何回もあります。やっぱり愛に人は弱いんですよ。結果? まあね、好みは人それぞれですからね。愛があれば全てOKとはならないんですよ(遠い目)。

    なんだろう、48歳のおっさんが愛について語るという誰も得しないこのブログ。

    CREDIT

    クレジット

    執筆・編集
    東京生まれ。ブルーベリーを育てる事と動物が好きなナイスガイ。世界ネコ歩きは毎週欠かさず見ている。プログラマーをしていたはずが、なぜか47にして営業に。
    イラスト
    1994年、福岡県生まれ。漫画家、イラストレーター。第71回ちばてつや賞にて「死に神」が入選。漫画雑誌『すいかとかのたね』の作家メンバー。散歩と自転車がちょっと好きで、東京から福岡まで歩いたことがある。時代劇漫画雑誌『コミック乱』にて「神田ごくら町職人ばなし」を不定期掲載中。