シジュウカラの馬だより

競馬の楽しみとフェブラリーステークス

この記事は約8分で読めます by シジュウカラ

最近、競馬のおもしろさに目覚めたシジュウカラです。私なりの競馬の楽しみ方や、お気に入りの馬について書いたり、G1などの重賞を素人ながらも予想したりする不定期連載のコラムです。中央競馬をメインに書いていきますが、たまに地方競馬や海外レースのおはなしも出てくるかもしれません。全国の競馬ファンの皆さま、よろしくお願いします。お手柔らかに……。

ごあいさつ

こんにちは。連載を持つにはちょっと初心者過ぎやしないかなと思うのですが、「その素人っぽさを出すとよかろう」との社長の指示により、ありがたく不定期連載となりました。

実を言うとうちの会社には、オグリキャップの本を編集したという、筋金入りの競馬ファンの先輩( Iさん)がいるので、本当に僭越過ぎて申し訳ありません。先日は会社で「ダビスタ買った?」( Iさん)と問われ、「だ、だびすたって何ですか?」とタジタジと答えるほどには素人です。ちなみにダビスタとは競馬のゲームだそうです。「競馬を覚えるならやるべき」と言われているので、いつかサンタクロースが運んでくるのを待ちたいと思います(だいぶ先)。

まずはタイトルがなぜ「シジュウカラ」なのかというと、私が40才だからです。つまり「40才からの馬だより」というわけです。このバナーを描いてくれたのはうちのアルバイトスタッフですが、プロの漫画家さんでして、立派に描いてくださって感謝しています。何度もダメ出ししちゃってすみません。左回りに見えないから、見えるようにしてくださいとか、馬の脚の長さがどうのとか、タイトルロゴがかわいくないとか、競馬素人の割に細かくて大変だったと思います。この場を借りて御礼申し上げます。

さて、なんで競馬にハマったのか、というところからおはなしをした方がよいでしょうか。競馬をやったことがある人しか分からないと思うのですが、日曜(ときどき祝日)のメインレースではWIN5というもの(5レースの1着馬を当てる)がありまして、これに当たった友だちがいたから、というなんとも安直な理由です。きっかけは安直ですが、もともと馬は好きで乗馬の5級ライセンスを持っていたりします(誰でもとれるやつですが)。

40才からとは言いつつも、初めて競馬場へ行ったのは2005年の中山競馬場の有馬記念。競馬ファンはご存知ディープインパクトが2着になったレースです。当時私はリンカーンという馬の複勝をビギナーズラックで当てて、1000円が3000円くらいになって喜んでいたのですが、世間は「ディープが負けた」ということで、騒然としていたらしいです。その頃の私はディープインパクトが負けたことをどれだけのことかをよく分かっていなかったのですが……。以来競馬仲間からは「ディープを止めた女」というレッテルを貼られました(※ディープインパクトはこの一戦が唯一の国内敗戦です)。

ここ最近ではアーモンドアイを目当てに行った有馬記念に、アーモンドアイが掲示板にすらのらないという事態が発生したため「本命馬を沈める女」という不名誉な名称もいただいています。

競馬にはまった理由

そんなわけで、改めて今さら競馬にハマった理由としては、タイトルにもあるように40才という年齢になったからじゃないかなと思っています。というのも、競馬はただのギャンブルではない楽しみ方があるから。生身の馬が走っているので、運だけに左右されないところがおもしろいです。

断然一番人気の馬が出遅れたり、謎のやる気のなさをみせたり、たまにとんでもない馬が飛んできたりと予想がつかないことがあります。何より、馬を操る騎手の生い立ちであったり、調教師の思いであったり、馬主の思い、生産者の思い、ファンの思いなどなど色々な人の夢を乗せて走っているところにロマンを感じてしまいます。そう、競馬には「ロマン」があるのです。

そして馬そのものの美しさと佇まい、走る姿を見てしまうとハマらないわけがない。これはもはやギャンブルではないと私は思うのです。まあギャンブルなんだけど。それでも100円から賭けられるので、嗜む程度ならまったく痛くもかゆくもない。ほどほどに楽しむこともできるし、ガチで勝負もできるという多様性とサステイナブルさがあるのもポイントです。

人生40年も生きると、全然知らない人の人生や小さい子どもを見るだけで涙ぐんだりするようになりました。もう自分にはそんな夢もロマンもないかもしれないという郷愁に似た何かを感じるようになり、そんな中で心揺さぶられるストーリーがいくつもある所に競馬の魅力を感じるのです。

ちなみに予想だけして馬券を買わないという楽しみ方もアリです。これをエア馬券と呼んでいます。ちなみになぜわざわざ連載を始めたかという目的をお話しますと、この連載をすることによって競馬の本が出せないかともくろんでいるからです。

もうちょっと競馬のイメージが良くならないかなーという啓蒙でもあります。乗馬クラブなんてほとんど女性だし、馬が好きな女性って多いんですよ。もうちょっと女性や競馬に興味がない人たちにも広められたらいいなと思っております。

夢はでっかくいきましょう。

フェブラリーS 予想

というわけで、お待ちかね。ここからは2月21日に開催される「フェブラリーステークス」(以下フェブラリーS)の予想をしてみたいと思います。2021年がスタートして初めてのG1です。

G1のGはグレードを指すらしく、G1、G2、G3とあってG1がいちばん大きいレースです。この連載ではG1の予想をしていこうかなと思ったのですが、数えてみたらG1って年に21レースもあるんですね。全部の予想はちょっと難しいかもですが、素人なりにがんばってみたいと思います。予想はあくまで個人の見解ですので馬券が外れてもご容赦くださいませ。

このレースは東京ダート1600mでありますが、中央競馬のダートG1は実はこのフェブラリーSと秋のチャンピオンズカップだけです。おっとダートと芝の違いは分かりますでしょうか。ダートは砂でできたコースで、芝は言うまでもなく芝を走るコースです。芝を走っている方が競馬っぽいと思っていたのですが、昔は全部ダートだったんですって。時代は変化しますね。ただしこのレースは芝スタートからのダートコースへ入っていくのでちょっと変わっているのです。競馬仲間によると世界的にも大変珍しいコースなのだそうです。

過去のレースを見てみると、最初の10秒ぐらい芝を走っているので150メートルくらいは芝っぽいのかなー。馬って芝が合ってる馬とダートが向いている馬というのがあるようです。このあたりはお父さんとかお母さんのお父さん(母父という)の血統が大事だと言われていて、例えばサウスヴィグラスは「グラス」っていうぐらいだから芝かなと思っていたらダート血統の馬で壮大な勘違いをしていたエピソードもあります。

人間とちがい馬は血統が大事なようでダートとか芝適性以外にも、距離が長い方が向いている馬とか短い方が向いている馬があり、競馬歴の長い諸先輩方は「あの馬のお父さんはダービーで何着だった」とか「あの馬の弟は活躍してるから期待できる」とか、家族構成がすらすら出てくるので、このあたりは経験が物を言う感じになってきそうです。私はまだまだですね。

というわけで東京ダート1600の特徴は先述の通り、芝スタートなこと(ちなみに外枠の方が芝は長い)、直線距離が長いこと、1600メートルという距離であることです。1600mは競馬ではマイルと呼ばれております。過去の傾向を自分なりに調べてみたのですが、完全なダート血統というよりも、芝もいけそうな馬。パワー系とスピード系を両方持っている馬が強いのではないかという予想を立てました。以上を踏まえて私の気になる馬を見ていきましょう。ちなみに予想する時は会員登録をしている某競馬サイトを使って馬柱や前走を視聴するなどしています。血統や持ちタイムも見ることができます。ネット○○というサイトです。

[本命馬]

サンライズノヴァ(馬番9)

前走のチャンピオンズC(G1)は12位とむーん……な成績ではありますが、距離が合わなかっただけと考えました。過去の成績を見ていくとダート1600ではなかなかの成績を残しています。前々走のG3東京1600では勝っております。過去のフェブラリーSでは4着、7着、3着という成績。まずまずといったところですが、4着、7着の時のレースは距離延長からの結果ということで、今回は距離短縮のフェブラリーS。馬格もあるし期待できるのではないかなということで本命馬に決定。

前走は負けちゃったチャンピオンズC 

[気になる馬]2頭

レッドルゼル(馬番16)

これまで2度しか馬券外になっていないなかなかの成績優秀馬。今回有利だと言われている大外の枠を引いたことと、新馬戦では芝でもそこそこの成績ということで芝の適性もダートの適性もありそうと見て買い目に入れてみようかなと思います。上りタイムが速いのでスピードには乗っていけそうだけど、懸念材料は距離延長となること。しかも1600mを走るのは初めてなのが気になります。距離延長だとあんまり成績が良くないと言われているのですが、騎乗は天才川田くんです。侮れないような気がしています。

前走1着だった根岸S(G3)

ソリストサンダー(馬番13)

ここ最近の成績が良いので気になっている馬です。ポイントは昨年の11月にあった東京中日S杯武蔵野S(G3)の東京ダート1600mで2着の成績をおさめているところ。さらに次戦では1700で勝ってからの今回の東京ダート1600ですから、勢いに乗ってくれるのではと期待。ダートは馬格がある馬が良いと言われていますが、徐々にではありますが大きくなっているように見えるので今回の馬体重がどうか気になるところです。過去のフェブラリーS上位三頭を見ていくとノンコノユメ以外は500キロを超えていっているので、あまり400キロ台は狙わない方が良いのかなーと逡巡。でも買う。

そんなわけで今回のフェブラリーSはこちらの馬券でいこうと思います。

※馬券の購入は自己責任で

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執筆・編集
だいたい40才(牝)。コロナが明けたら全国の競馬場を回るのが目標。その後地方競馬もコンプリートして、ドバイ、ロンシャン、香港、アメリカ、オーストラリアの競馬場にも行こうとしています。
イラスト
1994年、福岡県生まれ。漫画家、イラストレーター。第71回ちばてつや賞にて「死に神」が入選。漫画雑誌『すいかとかのたね』の作家メンバー。散歩と自転車がちょっと好きで、東京から福岡まで歩いたことがある。時代劇漫画雑誌『コミック乱』にて「神田ごくら町職人ばなし」を不定期掲載中。