こんにちは、笠原です。
年々加速している高級チョコレート旋風には目を見張るものがあります。
一年に一度開催される、チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」は大盛況。バレンタインデーもホワイトデーも、「自分用チョコ」を購入する女性が増えているのだとか。
一粒一粒が宝石のように美しく、女性たちを虜にしています。
フリーアナウンサーの田中みな実さんも、大のチョコレート好きとして知られていますよね。
チョコレート“マニア”の域に入ると、年間何十万円ものお金をチョコレートに注いでいる人もいるそうです。
今でこそ、一粒300円以上するチョコレートを愛おしそうに舌の上で愛でる、といった文化が浸透してきましたが、こうした高級チョコレートブームは、2002年にあるショコラトリーが伊勢丹に進出したのをきっかけに始まったと言われています。
おいしいものを、もうひとつ…。
今回はチョコレート界の巨星、「JEAN-PAUL HÉVIN(ジャン=ポール・エヴァン)」です!
おいしいものを、もうひとつ
レオニダスのチョコじゃないほう
JEAN-PAUL HÉVIN/ジャン=ポール・エヴァン
ジャン=ポール·エヴァン氏と言えば、世界中のあらゆるメディアで「世界で最も優れたショコラティエの1人」として、必ずと言っていいほど名の挙がるショコラティエ。国際コンクールでの優勝や1986年フランス国家最優秀職人章=MOFの受章など、これまでに栄誉あるタイトルをいくつも獲得してきました。
それも全て、エヴァン氏のただならぬこだわりがあってこそ。ホームページからは、エヴァン氏がチョコレートに向ける厳しくも深い愛情がうかがえます。
カカオを選び抜くのはもちろん、卵やアーモンドなど、全ての原材料の選抜を自ら行なうのがジャン=ポール・エヴァンのこだわりです。牛が青草を食べる量によって味にも変化があるため、季節によってバターや牛乳の産地を変えることも厭いません。
原料の選別からすべての製造過程において、皆様へ最上のものをお届けするため、いつもエヴァンの厳しい目は注がれているのです。
チョコレートそれ自体のクオリティーだけでなく、アートにも造詣が深いエヴァン氏。ファッションデザイナーのように、毎年秋に1年間のテーマを発表し、気の利いた皮肉とユーモアを交えてその年のコレクションを展開しています。
また、日本とゆかりがあるクリエイションも「ジャン=ポール・エヴァン」の特徴。若い時に1年半ほど、東京のパティスリー・ペルティエで働いた経験があるのです。こうしたバックグラウンドから、抹茶や納豆など日本の素材や漢字を自身の作品に取り入れることもしばしば…。
エヴァン氏のクリエイションは日本のバレンタイン文化の中でもマスコミに繰り返し取り上げられ、また日本のチョコ好きたちからも飽きることなく賞賛され続けています。
私たちは、そんな彼のクリエイションに「JEAN-PAUL HÉVIN/ジャン=ポール・エヴァン」というお店を通して触れることができます。
ジャン=ポール・エヴァン 東京ミッドタウン店
世界各地にお店を構える「ジャン=ポール・エヴァン」ですが、とりわけ日本の店舗数は多く、北海道から九州まで現在12店舗を日本に有しています。
今回お邪魔した「ジャン=ポール・エヴァン 東京ミッドタウン店」がオープンしたのは2007年。こちらはカフェを併設している店舗です。
店内は二つの空間に仕切られており、入り口正面向かって左手が「カーブ ア ショコラ」と呼ばれるショップ、右手にカフェ「バー ア ショコラ」があります。
日本に初出店する際に、店舗デザインを練っていたエヴァン氏が、「シガーバー」をイメージしてこのような閉じた空間にしたそうです。奥まった扉なので、「ちょっと入りにくい…」と感じられる方もいるのかもしれませんが、「チョコレートショップに入ったら、チョコレートの世界に入り込んで欲しい」という思いが込められています。
ショーケースには、フランス本国から空輸されたショコラなどが宝石のように陳列されています。
「ジャン=ポール・エヴァン」は、フランスのパリ近郊にラボラトワール(製造する場所)を持っており、そこで全てのボンボンショコラ、タブレットなどが作られます。工場では約200キロのショコラが毎日作られており、一部が日本へ向けて空輸され、日本のショップに並ぶそうです。
ショップ全体は18~19℃に保たれているのだそう。これも全て、チョコレートを最良の状態でお客さんの手元にお届けするため。(結構寒いです!)
定番商品として通年販売されているものも多くありますが、「季節ごとにさまざまなショコラを愉しんでほしい」との思いから、常に期間限定商品も用意されています。限定商品のサイクルは、早くて1ヶ月。
フランスの行事にちなんだ商品も登場します。日本ではやはりバレンタインとホワイトデーがハイシーズンだそうですが、イースター、母の日…とそれに続くイベントに合せたチョコレートもどれも可愛らしく…。「チェックしないのは勿体ない!」と、ここで声を大にしていいます(笑)
ショーケースの背後には、箱詰めされたボンボンショコラや、焼き菓子、コンフィズリーなどがあります。箱詰めされているので、ギフト用に購入を検討されているのならイメージがつかみやすそうです。
バー ア ショコラ
向かって右手の扉を開けると、カフェ「バー ア ショコラ」があります。
国内でカフェ併設のジャン=ポール・エヴァンは8店舗あり、東京ミッドタウン店はそのうちの一つ。
カフェの中は、ゴールドタイルの壁が輝くゴージャスな空間になっています。
ガトーをイートインすることもできますし、「バー ア ショコラ」限定のスイーツをいただくこともできます。
ジャン=ポール・エヴァンのアイス、「グラス オ ショコラ JPH」「グラス オ ショコラドゥ」は、アイスに生クリームやソースを自分でかけて食べることができるのだそう! 営業が再開したら、食べに行こうと思います。
サレメニュー(サンドイッチなどの軽食メニュー)は昨年をもって終了となっております。クチコミサイト等を見ると過去のメニュー写真が並んでいますが、現在はスイーツとドリンクのみの取り扱いとなっております。
カフェメニュー
「バー ア ショコラ」で人気だというのが、以下3点。
・ショコラ ショ パリジャン
・グアキヤル
・エクレール ショコラ ※5月~9月限定
今回こちらを試食させていただきました!
それでは早速、ショコラ ショ パリジャンから…。
ショコラ ショ パリジャン
メニューにも一番上にリストされている通り、「バー ア ショコラ」に行ったら一度は飲みたいのが「ショコラショ パリジャン」。ショコラ ショはショコラパウダーで作ります。
注文すると店員さんが丁寧にミルクとショコラパウダーを混ぜてくれます。この混ぜ方にコツがいるようで、手早く、均一に、混ぜ続けます。それも、急激な沸騰をしない様に気を配りながら…。
へこたれない腕力が必要そうです…。
温められたティーカップと、ショコラ ショの入ったピッチャーが一緒にサーブされます。
泡が小さく、綺麗です。丁寧に攪拌してくださるので、ムラのない仕上がり。
この「ショコラ ショ」自体、1265円という“Bar価格”なのですが、このお写真の分量2杯分くらいがピッチャーに入っています。
ショコラ ショというと、一杯でお腹が膨れてしまうほどコッテリした飲み物だというイメージがあるかと思うのですが…、こちらのショコラショは、スッキリしていて全然クドくない!
あの丁寧な泡立てがキモになっているようで、仕上がりが軽くなるのだそう。
苦味もあり、とっても美味しいです。
ちなみに「ショコラ ショ アフリケン」はミルクを使わない、ショコラと水だけで作るショコラ ショ。ミルクが飲めない人には、そちらがおすすめ。
グアキヤル
この深い茶色に輝くケーキは「グアキヤル」。ジャン=ポール・エヴァンのチョコレートケーキが食べたい人のためのケーキです。
カカオとアーモンドの香り高いビスキュイと濃厚なヴェネズエラ産カカオのムースの層が、滑らかなビターチョコレートでコーティングされています。まるでスパイスでも入っているのかと錯覚するほど、カカオとナッツが力強く香ります。お酒ともマッチしそうです。
上からフォークを通し、全層を一気に楽しむのもいいですが、各層ごとの味を確かめながら“層食べ”してみるのも楽しそう!
エクレール ショコラ
こちらがジャン=ポール・エヴァンのエクレア「エクレール ショコラ」。
バゲットのような綺麗な焼き目がついているので、カリッとしているのかな~と思ったのですが、むしろしっとり·もっちり。ムギュっとした生地を食むと、滑らかで密度の高い濃厚チョコクリームが口いっぱいに広がります。
このクリームがまた、ヴェネズエラ産カカオを使用した香り高く濃厚なチョコレートクリームなので、ショコラティエならではの仕上がり。
「クラシックの再考」
ジャン=ポール・エヴァン公式ホームページをみてみると、こう書いてあります。
エヴァン氏は、エクレール、タルト、モンブラン…これらの定番スイーツを解釈し直し、自らのクリエイションに帰結させているのだそう。
よく考えてみれば、一般的に「エクレア」とは中身がカスタードであることがほとんどです。しかし切ってみると、そこにあるのはブラウンのチョコレートクリーム。意外性があると言えるかもしれませんね。
ジャン=ポール・エヴァンのチョコレートスイーツは、どれも香り豊か、かつ舌の上でのインパクトが強く、その一方で後味はキレがあるように感じます。
見た目は重たそうなのですが、どれもペロッと平らげてしまえそうです。これまで私の胃袋は、食後のデザートに重たいチョコレートケーキ類を受け付けなかったのですが、「ジャン=ポール・エヴァンのガトー」は例外として記録されました(笑)
キャラメルたべてみた
ジャン=ポール・エヴァンといえばショコラティエであることはこれまで散々書いてきました。
ただ、彼はショコラティエであると同時にパティシエ。実はこの中に、以前から気になってはいたけれど、なかなか頼む勇気がなくて食べたことがなかった商品があります。
「キャラメル」です。
私自身は「ジャン=ポール・エヴァン」製品ですとチョコレートしか食べたことがなかったのですが、中には「このキャラメルが好き!」というお客さんもいるようで、期待大!
キャラメルは実は通年ですと全6種類あるのですが、夏季は3種類になります。
その3種類は、人気3巨頭。
・ショコラ アメール
・ヴァニーユ
・サレ
ぱっと見、何が何味なのかほとんど区別がつきませんが…。
一番黒っぽいのがショコラアメールです。サレとヴァニーユは色自体は同じなのですが、ヴァニーユにはバニラビーンズの粒が見えます。この3点をいただきます。
◯ショコラ アメール
カカオの香り豊かなチョコレート風味のキャラメル。
チョコレートというよりかは、カカオという感じがしました。後味が何故だかあたたかく、不思議な感覚です。
ローストしたカカオ二ブを齧った時のような、ダークな香ばしさでわずかな酸味を感じます。
◯ヴァニーユ
ヴァニラの甘い香りとなめらかな口あたりが華やか。
3種類どれも甘い香りはするけれど、これは鼻腔での濃度がダントツで高いです。
やわらかいのですぐになくなってしまうのですが、余韻に浸れるくらい濃厚な味と香り。
◯サレ
甘さの中にあるフルール ドゥ セルの塩味がアクセントになっているキャラメル。
粒として塩が入っているわけではないのですが、一番コクがあり、引き立て役として塩味をかんじます。
上記2点はコーヒーや紅茶と合わせたいなあというのが私の感想ですが、こちらに関してはオーレグラッセと飲んでも良さそうだなと思いました。まったりしたほろ苦さがあります。
どれも滑らかな舌触りで味が濃く、存在感がありながらスッと口の中に馴染んで溶けていきます。甘くて濃厚なのに、後味がおしとやかといいましょうか。「口の中にいましたよ」というあたたかみだけ残して去っていってしまう感じです。意外と食べ応えがあり、一粒で満足感が得られます。一緒に合わせる飲み物を考える楽しみもありますね!
15~18℃で保存と書いてあるので、今の時期は注意が必要です。
適正温度下のキャラメルは、とろりとした舌触り。かなり柔らかく、生キャラメルと呼んで差し支えないかと思います。ただ、キャラメルはお砂糖よりも油分が多いので、特にベタベタするといったこともなくツルリと綺麗にフィルムから剥がすことができます。
各フレーバー2粒ずつあったので、半分は冷蔵庫に入れてから食べてみたのですが、これもまたオススメできます。出したてでも硬すぎず、ナイフがヌーッと入り、綺麗にスッと切ることができるくらいのテクスチャ。たっぷりの生クリームがなせる技ですね。
これからの季節は常温だとトロッとし過ぎてしまう可能性があるので、少し冷やしてしまってもいいかもれないな~と個人的には思っています。
このキャラメルですが、おうちで真似できるようにと特別レシピが公開されています。
2020年度「サロン・デュ・ショコラ」のために来日したジャン=ポール・エヴァン(パリ)のパティシエが、キャラメル作りのデモンストレーションを行なっている様子。
おうち時間にトライしてみてはいかがでしょうか?
おわりに
季節のフレーバーや行事関連の商品など、いつ行っても何か新しいものが待っていてくれるジャン=ポール・エヴァン。これまで特別な時にだけよっていましたが、この情報を得て、「寄れるものならいつでも立ち寄りたい…」と思ってしまいました。
確かに「高級ショコラ」なのではありますが、一粒から購入することができます。店頭ではあまりの種類の多さに決められずに困ってしまうこともあるかもしれませんが、販売員の方に好みを伝えると、一緒に選んでくださるそうです。これまで入店を躊躇っていた方、是非これを機に是非一粒の幸せを解禁してみてください!
今回紹介したキャラメルは単品でも購入することができますが、2,000円以下で購入することのできる6個入りのサシェはちょっとした手土産などに重宝しそうです。量より質で攻めたい時にいかがでしょう?
おいしいものを、もうひとつ。
ジャン=ポール・エヴァン 東京ミッドタウン店
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリアB1F
TEL:03-5413-3676
営業時間: 11:00~20:00 (ラストオーダー 19:30)
定休日: 不定休
公式ホームページ:https://www.jph-japon.co.jp/
※最新の営業時間は公式ホームページをご覧ください