ライブペインティングパフォーマー・近藤康平「キャンバスに生まれた物語」#1

物語の始まり

この記事は約4分で読めます by 三守浩平

ミュージシャンの演奏に耳を傾け、その場で大きなキャンバスに刻々と変わる絵を描き続けるライブペインティングパフォーマー近藤康平さん。それは1枚の絵ではなく、1つの物語と昇華していきます。さて、近藤さんは、なぜ音楽と共に絵を描き続けるのか。今のスタイルは、どのようにして生まれたのか。そのルーツから探っていきたいと思います。

近藤さんプロフィール用画像
近藤康平(こんどうこうへい)
1975年生まれ。2009年、友人のミュージシャンに誘われ、ライブペインティングパフォーマーとして活動を開始。樽木栄一郎 、あらきゆうこSchroeder-Headz(渡辺シュンスケ)白井良明(ムーンライダーズ)など、共演アーティストは多数。また「絵描き」として個展を開き、CDのアートワークや舞台美術も多く手がけている。
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大学は森林学!?

まずは、近藤さんの子ども時代からお話をうかがっていきたいと思います。子どもの頃は、絵が得意だったんですか?

三守

いや、絵にはまったく興味がなかったですね。絵と触れ合うのは、美術の授業ぐらい(笑)

近藤

ほんとですか ! 画家の方は子どもの頃から絵が得意な方が多いですよね。じゃあ、音楽はよく聴いていたのですか?

三守

はい。音楽は昔から大好きで、純粋に音楽ファンとして色々と聴いていましたよ。

近藤
balaiさんとviktorさん
2019年9月29日に代田橋「CHUBBY」で行われた、近藤康平自主企画「ヒロカンvol.5」。写真はBalai(巴賴)と、パーカッションのviktor

※Balai(巴賴):台湾原住民・パイワン族出身のシンガーソングライター。2016年、台湾のグラミー賞とも呼ばれる金曲獎にて、原住民歌手最優秀賞を受賞。近年では民族や国籍を超えたコラボレーションに取り組み、創作の可能性を広げる活動をしている。

ライブの様子

例えばどんなアーティストを聴いていましたか?

三守

邦楽ではくるりや、SUPERCAR、洋楽だとBECKや、THE STONE ROSESなど、さまざまなアーティストをリアルタイムで追っかけていました。

近藤
近藤さんのライブペインティング

音楽好きのひとりとして過ごしていたのですね。ちなみに、大学ではどのようなことを学んでいたんですか?

三守

地元を離れて鳥取大学に進んで、森林学を6年間学んでいました。

近藤

ひょっとして、それって理系ですか!?

三守

実は高校までは理系コースでした(笑)
大学も農学部森林学科は、理系がメインなのですが、僕自身は林政学といって社会科学寄りの専攻でした。大学院まで進学して、指導教諭の方針もあって、就活もせずに、研究に没頭して、修士論文を書きあげました。

近藤
ライブと完成した絵

きっかけはSNSへの投稿

就活せずに、大学院を卒業してから、それからどうしたんですか?

三守

大学を卒業してからは、クレヨンハウスに就職したんです。ものすごく絵本が好きだったというわけでもなかったんですが、採用されたんですね。それで働き始めて3年ほど経った29歳のとき、職場の同僚に勧められて始めたSNS「mixi」の日記として絵を投稿したのがきっかけです。

近藤

※クレヨンハウス:東京と大阪に店舗をもつ、絵本やおもちゃ、オーガニック食材などを取り扱うお店。

日記って普通文章で書きますよね(笑)

三守

文章を書くことに照れがあったというか(笑) だから代わりに絵を描こうと思いました。

近藤
座る近藤さん

普通は絵の方が難しいんですよ(笑) ちなみに、絵はどうやって描いていましたか?

三守

Windowsに標準で入っていた「ペイント」というソフトを使って、マウスで描いていました。カチカチ、と(笑)

近藤

ペイント!? 想像を絶する(笑) その投稿でなにか変化がありましたか?

三守

1〜2年ほど投稿を重ねていくうちに、とあるカフェギャラリーから「作品を展示してみないか?」と声がかかって。

近藤
手のひらを使って描く近藤さん

それはまた急展開ですね! ペイントで描いた絵でも近藤さんの才能に気づいたんでしょうね。それから画家としての活動が始まったのでしょうか?

三守

そうですね。やっぱり音楽が好きだったので、バンドをやっている友人のライブフライヤーを描いたりして、少しずつ活動を広げていきました。

近藤

なるほど。では、そうした活動のなかで、どのようにしてライブペインティングのスタイルが生まれたのか、第2回でお聞きしたいと思います。

三守
完成した絵
取材協力
代田橋『CHUBBY』
代田橋『CHUBBY』
東京都世田谷区大原2-27-9
03-3324-6684
Website

代田橋駅北口の路地にあるギャラリーカフェ。町工場を改装してつくられた店内は広く、ゆったりとした空間でアートが楽しめる。定期的に、さまざまなアーティストによる個展やLIVEイベントが開催される。


笹塚バル スケッチ
笹塚バル スケッチ
東京都渋谷区笹塚3-14-1
03-5309-2878

今回取材させていただいたライブのフードは、笹塚にお店を構えるイタリアンバル「スケッチ」によるもの。木目調のアットホームな店内で、オーナーが手間をかけてつくる本場のイタリア料理がお手頃な値段で楽しめる。

#2 ライブペインティングというスタイル

CREDIT

クレジット

執筆・編集
東京生まれ、ベーシスト。アメリカの音楽と風景に憧れ、アメリカのマザーロード「ルート66」を横断するのが夢。現在バンドは組んでおらず、これからの音楽活動に向けて水面下で色々と準備中。多分、ベースよりギターの方が好き。
    撮影
    千葉県出身。どんな趣味も一年であきてしまう45歳。最近始めたジョギングにいたっては冬を越せるか心配中。チーバくんとパンダが好き。
    撮影
    某研究学園都市生まれ。音楽と東京ヤクルトスワローズが好き。最近は「ヴィブラフォンの入ったレアグルーヴ」というジャンルを集めて聴いている。