『なぞなぞショッピングモール』と、アレッサンドロ・ビオレッティ#4

未来に続く夢

この記事は約4分で読めます by 小熊雅子

夢を1つずつ実現してきたアレッサンドロさん。アーティストとして、次にどんな夢をいだいているのでしょうか。第4回の最終話では、これから目指したいものについてうかがいます。

子どもにも伝わる作品を

今後は、どのような作品を手がけていきたいと思っていらっしゃいますか?

小熊

挿し絵や絵本だけでなく、広告や動画なども含め、幅広く活動していきたいと思っています。

アレッサンドロ

アレッサンドロさんの作品は、アーティスティックのものから、ポップなイラスト、そして絵本と、さまざまですね。でも、どれも対象を限定してないというか、子どもでも大人でも楽しめる豊かさを感じます。

小熊

息子が生まれたので、子どもにも何か感じてもらえる作品をつくりたいという気持ちはあります。息子が見て、「あ、お父さんなんかかっこいい作品つくっているね」って。

アレッサンドロ

あ、それ素敵ですね。アレッサンドロさんが、ご自身の「おじいさんみたいになりたい」と思ったように。

小熊

やっぱり、息子にはぼくのファンになってほしい。仕事をする姿を見て、そして作品を見て。

アレッサンドロ

日常の生活から生まれる発想を表現する

自分の作品を発表する場として、展覧会は毎年やっていきたいと思っています。

アレッサンドロ

展示にストーリー性があるものが多いですよね。これは、あえて意識されているのでしょうか?

小熊

そうですね。展示としての面白さを出したいっていうのもあるし、スタートがあってゴールがある形にすると、見やすいですよね。また、自分としても、ストーリーを描きたいという気持ちがあるので。

アレッサンドロ
展覧会のパンフレット
展覧会のパンフレット。『SENTO(銭湯)』/左、『LIBERTY(リバティ)』/右。

展覧会のテーマは、どんなところから発想を得ているのでしょう。

小熊

自分の日常生活の中で起こるものから、インスピレーションを受けていますね。

アレッサンドロ

ご自身の内面の表現が多いとか?!

小熊

「タイガー&ウーマン」というテーマの展示では、自分の中の男性的な部分(虎)と女性的な部分(ウーマン)を表現したいと思いました。

アレッサンドロ

たしかに、アレッサンドロさんって、細やかな気配りをしてくださって、とても優しい方ですが、今回、日本や絵の仕事への想いをうかがって、とても熱いというか、力強い印象も受けました。

小熊

次の「銭湯」がテーマの展示は、妻が妊娠していたので、「水」のイメージもありました。また、10年以上銭湯に通っていて感じたことと、思いついたネタのようなものを表現したいなと。

アレッサンドロ

「銭湯」の展示は、マンガのようにコマ割りになっているものもあって、コミカルでおもしろく、画面のすみずみまで楽しめる作品が多かったです。それと、色数をしぼって描かれているのが印象的でした。

小熊

80年代っぽい、レトロ感を出したくて、基本の黄色、青、赤に、薄い色味のピンクや緑を足しました。

アレッサンドロ
SENTO(銭湯)
『SENTO(銭湯)』より。

今年の展示は「リバティ」でしたね。

小熊

「リバティ」は、「自由」という意味です。フリーランスになって、初めての個展だったので。

アレッサンドロ

タイトルとしては、ぴったりですね。主人公がさまざまなしがらみから解放されていき、自由になったときに、タッチがガラリと変わりましたね。さわやかな風が吹きぬけたような清々しい気分になりました。

小熊

英語で「自由」というと、「フリーダム」と「リバティ」があります。「フリーダム」は与えられる自由、「リバティ」は自分の力でつかみとる自由。 かなり意味がちがうんです。フリーランスになって、自分の中の「リバティ」を見つけたいなという想いで。

アレッサンドロ
LIBERTY(リバティ)
『LIBERTY(リバティ)』より。

来年もまた展覧会のご予定はありますか?

小熊

もちろん、考えています。だけど、まずなぞなぞの絵本を仕上げてからですね。

アレッサンドロ

来春の出版に向けて、がんばりましょう! 今日は、ありがとうございました。

小熊
駅で手を振るアレッサンドロさん

お見送りをしながら、昔懐かしい雰囲気が漂う路面電車の駅が、なんて似合うんだろうと思いました。日本に憧れてやってきたアレッサンドロさん。絵の魅力に加えて、優しい人柄と、仕事への情熱と、コツコツと努力しつづける姿勢と・・・、そのたくさんの魅力に、私たち多くの日本人は次々とノックアウトされるにちがいないっ。

取材協力
Grand Arbre(ゴン アルブル)の外観
Grand Arbre(ゴン アルブル)
東京都世田谷区若林4-21-3 松陰神社駅前レジデンス1F
https://grand-arbre.tokyo/

CREDIT

クレジット

執筆・編集
『ダジャレーヌちゃん 世界のたび』の担当編集者。好きなものは、絵本・紙芝居・銭湯・目玉焼き。最近ジョギングに目覚め、10kmマラソンに参加することが夢に。
    撮影
    千葉県出身。どんな趣味も一年であきてしまう45歳。最近始めたジョギングにいたっては冬を越せるか心配中。チーバくんとパンダが好き。
    撮影
    某研究学園都市生まれ。音楽と東京ヤクルトスワローズが好き。最近は「ヴィブラフォンの入ったレアグルーヴ」というジャンルを集めて聴いている。