ほんとうの長田真作、そらごとの長田真作#6

長田真作の未来

この記事は約4分で読めます by 深谷芙実

この連載で、長田さんの絵本に対する考え方や、絵本作家になるまでの出会いについてお聞きしてきました。最終回では、未来の絵本、絵本の未来についておうかがいします。

絵本で世界とつながる

長田さんが絵本を作っていく上で、大切にしているものはありますか?

深谷

“自分”を大事にしてるかもしれないですよね。細かくいうと、身体のことですよね。つまり、しっかり健康で、いい状態のほうが、自分が楽しいでしょ。調子がいい。そういう自分の状態が、作品を通して読者にも伝わると思うから。

長田

自分の調子が悪くて、作品が煮詰まって出てこないことはありますか?

深谷

そーゆーことは、あんまりないですねえ。わりとずっと元気ですし、調子はいいですし、構想してる作品は常にいっぱいあって、手をつけられてないくらいですね。もっとたくさん時間くださいって感じですね。

長田

どんどん新しい作品のアイデアが湧いてくるのはすごいですね。

深谷

いつでもすんなりいくわけじゃないから、色んな作品を同時並行で描いてますね。考えなきゃいけないことが多くなるから負荷がかかるけど、そのほうが進むんです。だから、たとえばひとつの作品に手間取ってしまった時、違う作品で違う気分を探すんですよ。自分の中で離れたいと思ったら離れるんです。離れてみたら、見えなかったものが見えてくるから、新しい質感が出てくるんですよね。だからどうしてもたくさん描くということになるのかもしれないです。

長田

海外でも絵本を出版されていますよね。これからの時代、日本だけで本を作ることは想像しづらくなっていると思いますが、作家としてはどういうふうに考えていますか?

深谷

僕としてもまだこれからなんですけど。今まで、日本で絵本を出したあとにその翻訳版をベトナムやフランスで出すということはありましたが、これからは日本と海外で同時展開するっていうのも考えてます。ちょっと実験的ですけどね。

長田

ちなみに英語はお得意ですか?

深谷

僕は全然。鍛えることなくここまで来た感じで。でも英語圏って広くて、とても多くの人が使ってる言語だから、無視できないなとは思っています。ま、そこは僕の絵本自体が広がってくれたらもういいかな。

長田

世界の人に作品を見てもらいたいという思いはあるんですね。

深谷

もちろん。もっと絵本を通していろんな出会いがあると思うんですよ。よりたくさんの国で翻訳されるといいですね、面白くなりそう。

長田

未来の絵本、絵本の未来

最後に、絵本の未来についておうかがいしたいのですが。すでに、なんとなくで本を買う時代じゃないし、絵本は特に、欲しいなと感じられないと買ってもらえないですよね。

深谷

それについては僕の次回作にご期待を(笑)

長田

長田さんが考える、絵本ならではのよさはなんですか?

深谷

絵本のよさって、“これ”というものが決まってないと思うんですよ。音楽では、やっぱり恋愛の歌や元気が出る歌が人気じゃないですか。絵本ってそういうのがあまりないというか。恋愛ものが出たとしてもあんまり大爆発はしないと思うんですよ。たくさんのジャンルとバリエーションがどんどんでてきていい、あっていい。もっと自由でいいものなんだと思います。

長田

長田さんの絵本は、これからどういう方向に向かっていくんですか?

深谷

知りませんよ、そんなこと(笑)どんな作品を作りたいのか、僕が一番興味ありますよ。これからどうなっていくのか? その驚きを見つける作業の連続ですね。だから方向は分からないし、分かりたくもない。そのためには、自分がどれだけ多くのことを経験できるかだと思うので、どんどん出会っていくしかないと思ってます。不安だけど、いい不安ですよね。その不安、どんとこいです。

長田

作品も自分自身も変化していくということですね。

深谷

ともかく動いていかないと、自分自身が何に強く反応するのかわからないですから。絵本を中心に、実験、冒険していく感じですね。絵本を描く時、白い紙を前にして、ほんとに自由なあの感覚が味わえるってことは、何をやってもいいんだなと思っていて。真っ白なときのイメージとかテンションが一番楽しいですよね。

長田

これからも、長田さんの描かれる自由な作品を楽しみにしています。

深谷

しばし、末永くお付き合いの程…を(笑)

長田

ほんとうの星
長田真作
1,800円+税
8月19日(水)発売
そらごとの月
長田真作
1,800円+税
8月19日(水)発売

CREDIT

クレジット

執筆・編集
2014年入社。学校図書館書籍や生物の図鑑などの児童書を担当してきた。おもな担当書籍に『深海生物大事典』(成美堂出版)、『齋藤孝の どっちも得意になる!』(教育画劇)、『MOVE』シリーズ(講談社)など。