愛知県新城市出身のレゲエシンガー・湊が、初のアルバム『繋がる』のリリースを記念して、愛知県の岡崎市・名古屋市・豊川市をめぐるツアーを開催した。
ツアー最終日5月19日、愛知県豊川市にあるMUSIC&BAR『GrooveStock』で行われたワンマンライブにも、湊の歌を聴くために多くの人が集まり、まさに音楽で”繋がる”時間を過ごした────
今回は、ワンマンライブやファーストアルバム『繋がる』の収録曲について、湊にインタビュー。
”繋がって”実現した、初の主催ツアー
まずは、ファーストアルバム『繋がる』のリリース、おめでとうございます。
(笑)そういう感じ?
なんかくすぐったいよね、ラフにやってこう(笑)
(湊と筆者は古くからの友人。)
今回のツアーは、アルバムのリリースに合わせて開催が決まったんだね。
うん。最初は、ツアーじゃなくて豊川でワンマンライブだけをやろうと思ってたんだけど、1ヶ所だけでやるのはもったいないからって、声をかけてくれた人がいて、岡崎・名古屋・豊川の3ヶ所になったんだ。
私は今回、豊川のワンマンライブだけおじゃましたんだけど、岡崎や名古屋はどうだった?
場所ごとにコンセプトを決めていて。岡崎は、三河のサウンド・FUJIYAMAはじめ、地元のアーティストと一緒に作るライブ。名古屋はゲストを呼ぶライブで、名古屋が地元のサウンド・BANTY FOOT、ゲストにEXPRESSさんや導楽さんに来てもらったよ。
<サウンド・サウンドマン>
レゲエの音楽をかけたり、マイクで会場を盛り上げたりするクルーのこと。
ライブの見せ方を場所ごとにこだわったんだね。
噂によると、豊川のワンマンライブは会場のキャパシティ以上にお客さんが入ったとか……
これ以上はチケットを売るのをやめようって決めていた以上に人が来てくれて。あの会場(GrooveStock)の、今までの中でも最大規模の人数だったらしい。
俺は会場の一番スッキリしたところにいたから、あまりわからなったけど(笑)
ステージ上だもんね(笑)
豊川のワンマンライブは、今までお世話になった人や友達が集まるっていうのがコンセプトだったみたいだね。
3ヶ所の会場を一緒に回ってたサウンドのMADNESSも、地元の昔からの友達?
そう! MCをしてたCANTAは、中学から知ってる。中学の時、友達がCANTAと同じ野球チームで、連れてきて一緒に遊んでた。一緒に遊ぶメンバーの中にいたみたいな感じで、その頃は、2人共レゲエなんて知らないぐらいだったと思う。
まさか、将来同じステージに立つとは……偶然にしては、すごい話!
ゲストで登場したJr.Santaくんは、湊の名前が「PINO」だった時代に会ったんだよね。
そう、元々「39-MAN」って名前。前に、BANTY FOOTがプロデュースした作品の中に、PINOと39-MANで一緒に歌った『Young Lion』って歌が入ってる。
アルバム『繋がる』の収録曲について
ファーストアルバム『繋がる』に収録されている歌について、話を聞いていきたいな。
まず、『俺にとっちゃいい人』は、豊川のライブで話していたけど、PINOの時に出会った人に向けて作った、感謝の歌なんだよね。
うん、とてもお世話になった人に向けて作った。周りからその人の事をどれだけ言われようが『俺にとっちゃいい人』って感じの歌だね。
それ以外の歌はGacha Medzさんが音楽のプロデュースに関わっているんだね。Gacha Medzさんと音楽を作るようになったのは、どういういきさつがあったの?
2、3年前ぐらいの、コロナ禍での自粛期間中に、オンラインでやるレゲエのバトル企画があって。こっちが歌って、相手が歌う対決みたいな。その企画で、たまたま俺の試合の時に、特別審査員としてGachaくんがいて、その大会が終わった後に、Gachaくんが「一緒に曲作りましょう」って連絡をくれた。Gachaくんはジャマイカで活動している音楽プロデューサーなんだ。
え? Gachaさんってジャマイカに住んでるの?
そう。前に俺、ジャマイカに行ったんだけど、それはGachaくんに会いに行くっていうのも目的だった。それから、『言い訳 』って歌をジャマイカのミュージシャンに集まってもらって、撮ってもらった。
『言い訳』は、曲や歌詞は日本で作ってるけど、音はジャマイカで作ってる。実は、アルバムの全部の歌にジャマイカ人が関わっていて、ミックスやマスタリング、音楽作りの仕上げ作業みたいなことは全部ジャマイカでやってるよ。『なんとかなる』って歌は、ジャマイカに行った時に作ろうってなって、ほぼ1日で完成した!
『なんとかなる』は、ワンマンライブにゲストで出てくれたZendaManといっしょに歌った歌だね。
ZendaManもジャマイカに住んでるけど、ちょうど日本に帰ってきててゲストとして来てくれた。ZendaManをプロデュースしてるのもGachaくんで、2人ともジャマイカで活動してるよ。
個人的に、ZendaManと湊は歌のスタイルが違うように感じたんだけど……
ちょっと違うかも。レゲエの歌い手にも「Singer」や「Deejay」っていう色々なスタイルがあるんだ。それでいうと俺は「Singer」で、ZendaManは「Deejay」なのかな。やっている音楽は同じレゲエ。
『ありがとう』は、YouTubeの再生回数がどんどん伸びてるね!
そうなんだ? よくチェックしてなくて……
再生数だとか、数字は特に気にしてない?
「まだまだ」というか、それがベーシックというか……
もし俺が歌い始めたばかりで、それを聞いたら「うわー! 」って思ったかもしれないけど、周りにそれよりすごく再生数をとってる人もいるから、そういう人たちと一緒にいるとまだまだだなと思える。
『ありがとう』って言葉って、とても気持ちのこもった言葉だと思うんだけど、この歌が生まれた時の話を聞いてもいいかな?
海で。歌詞を書いたロケーションね。
え? 海で歌詞を書いたの?
そう、1人でね。MVと似たようなシチュエーションだった。海の場所は違うけど。歌詞を提出しないといけない締切が間近で、焦って1人で海に行って、そこで歌詞ができた。
海には何か理由があって行ったの?
いや、気晴らしで(笑)
何か特別な出来事があったわけじゃなくて、自然に歌詞が浮かんできた。音楽は先に作ってあって、その音楽を聞いて1人で鼻歌歌いながら……
エモい気分を海から受け取ったんだ。
だけど、歌詞ができた時よりも、今はもっと歌詞に乗せた思いが増してる。もちろん、その時に思ってたことを歌詞にしたけど、その気持ちが1だとしたら、この歌を出すまでに実は1年半もかかってて、その間に色々な人が協力してくれて、歌を出す頃には気持ちが3、4と増えていって、歌うごとに気持ちが増していった。
その時より、今は『ありがとう』の歌詞に乗せた気持ちの重みがちがう?
歌詞を書いた時も気持ちは100%だったよ。でも、今思ったら、全然大したことない。歌を出すと、歌を聴いてくれた人が「こいつこんな風に思ってたんだ」って、歌から何かを受け取ってくれて、そのうち人がどんどんついてきてくれた。歌と自分に人がついてきてくれる感じだった。
『繋がる』って歌は、豊川のワンマンライブにも出てくれたTop-ChoiceのSatoshiっていう人が、去年の夏くらいに横浜のライブに呼んでくれて、そこで色々な人を紹介してもらったり、遊んだりして、「これが繋がりかー、人の繋がりだな」って感じて、できた歌。
色々な人と”繋がって”できたワンマンライブだったんだね。
”繋がる”でいえば、豊川のライブ会場は地元の新城とも近かったから、地元の人たちも来てくれたと思うけど、地元の人たちの応援は力になってる?
なってるし、こうやって地元の人達をライブに呼べて、やっと目に見える成果をあげられたって思う。新城に来た時に、いつも行っている馴染みの店とかで、ポスターを貼ってもらったり、ポストカードを置いてもらったりしていて、「まちの応援」を感じてた。
今回のライブは、その人たちに今の自分の成果を見せるためでもあったんだ。
地元の友達は、音楽のライブに行くような人とかあまりいなくて。歌ってるのを応援してくれているのは知ってたけど、見せられてなかったから、目に見える成果を上げたみたいな感じ。やっと。まだまだここからだけど。
次回のインタビューでは、湊がレゲエシンガーとして歌う理由について聞いていきます────
- いつの間にか (Acoustic Ver.)
- 俺にとっちゃいい人
- ヒトメボレ
- 繋がる
- なんとかなる
- 言い訳 (2024 Ver.)
- ありがとう
- 誰もいなくなった世界 (feat. sumiya takuro)
珈琲讃香『阿露摩』
愛知県新城市字宮ノ西4-5
新城市にある素敵な喫茶店です。
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