そろそろ巣篭もりのプロになりそうです、竹村です。
ワイヤレスイヤホンとヘッドフォンで通学するくらいには音楽と二人きりになりたい音楽バカ。休日の晴れの日はカメラ、雨の日はギターを弾く。と言いながら大抵は寝ているナマケモノ系大学生。最近、3日ももたないのに筋トレグッズを買いました。
ニュー・サブスク・パラダイス
奇才ウェス・アンダーソンの映画世界
緊急事態宣言が解けても大学の授業はリモートなので、家から出ない生活が継続中です。暇な時間にやることといえば、ドラマ見るか、ドラマ見るか、ドラマ見るか…。(勉強しなさい)
そんな、小さい頃からドラマばっかり見てた平成生まれの小娘が、お気に入りドラマを紹介します!
懐かしく思い出すもヨシ!新しく発見するのもヨシ!ですので、拙い文章は悪しからず…お楽しみください。
Q10
2010年に放送された学園ドラマ…いや、ヒューマンドラマ?恋愛ドラマなのか?というくらい要素がたくさん詰め込まれていたこのドラマ、まだなんとなく覚えているひとも多いのではないでしょうか? ポップなようで実はすごく考えさせられるものなんです。
どこか虚ろな目をした男子高校生:深井平太(佐藤健)は、理科準備室で「奥歯をさわると『ラ』の音がなる女の子」に出会う。人間そっくりの彼女はロボット(前田敦子)だった。彼女の電源をいれてしまった平太は、彼女の足に書かれた”Q10”から”キュート”と名付ける。
何もかもを初めて目にするキュートの抱く疑問は、普段何気なく使う言葉や常識を考え直させられ、ハッと気づかせる。人間らしく成長していくキュートといることで、次第に平太の中の何かが変わっていく…。
ところどころでポツンと残されるセリフは、青春感溢れるようで、どこか人生を俯瞰した少し不思議な寂しさを感じさせる。感情が振り回される、あっという間の1時間弱。回を追うごとにどんどんハマってしまう中毒性にご注意ください。
当時は気付かなかったのですが、キャストが豪華! 主役やヒロインももちろんですが、賀来賢人や高畑充希など、今も活躍する俳優が多く出演しています。
脚本は『野ブタ。をプロデュース』も手がけた木皿泉さん。なるほど…って感じですね。
高橋優の歌う主題歌「ほんとのきもち」はQ10のストーリーそのもの。日常で見る何気ない景色に光をあてて疑問を投げかける、まっすぐな歌も見どころです!
泣くな、はらちゃん
2013年に放送されたファンタジードラマ。ざっくり言うと、漫画!恋愛!音楽!って感じ。不思議なストーリーをキャッチーにリアルと絡める映像が面白い。
かまぼこ工場に勤める女性:越前さん(麻生久美子)は、漫画にネガティブなことを綴るのが日課。その世界では、はらちゃん(長瀬智也)たちが越前さんの鬱憤をつらつらと吐き出す毎日…。
そんな暗い世界をどうにか変えたいと思っていたとき、漫画本が落ちる衝撃ではらちゃんが現実世界にとびでてきてしまう。漫画の世界を明るくするべく、越前さんを励ますはらちゃんと、はらちゃんの言葉に助けられる越前さん、二人の関係に次第に変化が。惹かれ合う二人の選ぶ世界とは…。
始めて目にする世界には、はらちゃんの知らないものがたくさん。色、空、海、かまぼこ…全てに感動するはらちゃんは、現実世界の人からはとても不思議な人に見える。
そんな彼を守ろうと奔走する人たちと、あっさりと秘密を明かそうとするはらちゃんとの掛け合いが笑えるくらい面白い。
純粋無垢なはらちゃんの放つストレートでピュアなセリフには、見ていてポジティブになってしまうようなパワーがある。悩んでいる時は、考えていることがバカバカしくなるくらい。
映像にもこだわりがあって、漫画と現実をつなぐアニメーションはぐっとシーンを転換させ引き込ませる。漫画からでてくるキャラクターたちは、表情が漫画そのもの。だから現実世界の人なのか、漫画から出てきてしまった人なのかがはっきりと区別されているのだと思う。
今回調べてわかったことなのですが、なんとプロデューサーがQ10と同じ河野英裕さん! キャストは丸山隆平、菅田将暉、賀来賢人、薬師丸ひろ子など。たしかに、Q10と通ずるところがあるような…?笑
主題歌はTOKIOの歌う「リリック」。好きだとか、愛してるだとかじゃなくて、2人のいる世界を大切に思うような歌詞は、はらちゃんが越前さんに歌うもののよう。
リッチマン、プアウーマン
2012年に放送された月9ドラマ。翌年には続編のスペシャルドラマが放送され、2018年には韓国でリメイク版が放送されたほどの人気ドラマだ。私の記憶ではTHE恋愛ドラマなイメージなのですが、見直して見ると意外と難しい内容でした。
IT企業Next innovationを立ち上げた日向徹(小栗旬)と朝比奈恒介(井浦新)。天才と評される日向はぶっきらぼうで、いつも口から出るのは厳しい言葉ばかり…。そんな日向の元に現れたのが、就職難にのまれる東大生(石原さとみ)。
記憶力が優れている彼女は、病気で記憶力が乏しい日向にその能力を買われることになる。しかし、彼女が日向と出会ったのはただの偶然ではなかった。変わりゆく二人の衝突と、Next innovationの雲行き、朝比奈との関係…。
いや、要素がおおすぎる!! 当時の私はこんなに複雑な背景を理解できていなかったと思う…。
恋愛要素ももちろんだが、会社への熱意や友情が爽やかに描かれ、それと対称に悪意や嫉妬心には人間らしさをも感じる。日向のセリフにはそんな、時に熱く、時に寂しい、言葉とは裏腹に優しさが垣間見えるものもある。こんなかっこいいこと言える人は小栗旬しかいないわ…ってため息が出ちゃいますね。笑
高学歴でさえ就職ができない学生のキャラクター設定は、この前の年に就職難が問題視されたことが背景になっているとか。就職氷河期で奔走する東大生の嘆きは、現実味があってすごく心が痛くなります。(就活生にはキツいシーンが多いかも…)
また、当時見たことがなかったハイテク機器のある、次世代感あるオフィスも面白いです。
主題歌はmiwaの歌う「ヒカリへ」。すごく、すごく流行った。もはやこれを聴けばドラマを連想できちゃうくらい。それもそのはず、miwaがこのドラマのために書き下ろした1曲だそう…。
シグナル長期未解決事件捜査班
2018年放送という、一番最近に近いドラマ。原作は韓国ドラマで、脚本を務めたのは「冬のソナタ」で有名なキム・ウニ。時間が”鍵”になる、ミステリーサスペンスだ。
三枝健人(坂口健太郎)は15年前に女児誘拐事件を目撃したが、警察には信じてもらえず…。真相を掴むため、プロファイリングを学び警察官になった三枝は未解決事件捜査班に加わることに。
ある日、捨てられるはずの電池のない無線機から見知らぬ大山刑事(北村一輝)と名乗る人の声が聞こえてくる。不思議なその無線から、未解決事件の数々を紐解いてゆく。無線が意味するものとは、15年前の事件の犯人を捕まえることができるのか…。
なにが面白いって、伏線回収が綺麗すぎる! 見終わったときの、ストンと腑に落ちるような爽快感が素敵です。深読みせずには、考察せずにはいられない。次のストーリーが楽しみでワクワクしちゃいます。
三枝のプロファイルも圧巻。マジシャンのように言い当て、根拠を並べる。彼の前で隠し事など到底できるはずもない…かっこいいわぁ(単純)。でも、坂口健太郎としてのかっこよさではなく、三枝健人としてのかっこよさであり、ドラマの邪魔を一切しない。そこが良い…。
主題歌はBTS(防弾少年団)の「Don’t Leave Me」。この曲は、ドラマの謎めいた”時”に焦点をあてた歌詞。襲いかかる謎を目の前に、伏線が頭を駆け巡るような疾走感を感じます。
現在、劇場版シグナルが2021年に放映されることが決まっており、これにともないスペシャルドラマの放送が決定している。これを機に見直して見てはいかがでしょう?
私を離さないで
ベストセラー作家カズオ・イシグロの作品をドラマ化したもの。全体的にずっと暗い雰囲気をまとうが、その中に微かに見える希望や熱情、それに襲いかかる不条理の惨さからは目が離せなくなる。
山の中の学校には不思議なルールがあった。自由に、子供らしく、無邪気に学ぶ子供達。外の世界に触れず、体と心を健康に保つことだけを求められる。
そこで恭子(綾瀬はるか・鈴木梨央)は親友の美和(水川あさみ・瑞城さくら)と、どこか放っておけない友彦(三浦春馬・中川翼)らと日々を過ごし成長していく。普通の人間であることに疑いもしなかった日々の中で告げられた、生まれ持って与えられた「提供者」という使命と向き合うことになる。
学校の裏には森が広がっていて「森に逃げ出すと、内臓すべてとられて皮一枚になってしまう」という噂が信じられている。この噂、「提供者」という意味、子供達が外の世界と隔離されている意味…もう察しはつきましたよね? ストーリーは濃い霧のなかから始まるような、薄気味悪いようなものですが、フィクションとも言い切れないどこかリアルな話です。だから、怖い。
でも、そこで見える小さな光が暖かいものに見えるんです。
友彦と恭子が子どもながらに惹かれ合うかわいさだったり、使命に抗うエネルギーだったり…。
作品の温度差と衝撃的な話の展開に、いい意味でも、悪い意味でも忘れることができない作品です。
主題歌「Never Let Me Go」は、そんな光のなかではじめて流れる。1話を見れば、絶対に離さない力がある。ぜひ、ドラマで見て、聴いてほしい。
おわりに
放送年も、テイストもバラバラな5作品をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
毎週1話ずつでも、一気見でも、なにか気になるものを楽しんでいただけたら嬉しいです。(くれぐれも、生活に支障をきたさないようご注意くださいね。)
ではまた、今度は”巣篭もりを卒業した竹村”でお会いしましょう。