出版社とリモートワーク

出版社が全スタッフのリモートワーク体制を1か月半ほど続けてみて分かったこと(その3)

この記事は約6分で読めます by 安部孝志

今日(5月12日)も絶賛リモートワーク中の安部です。

あべたかし
安部孝志

出版業界やゲーム業界を渡り歩いてきた風来のWEBエンジニア 兼 インフラエンジニア 兼 WEBディレクター。最近やっているゲームは「PUBG」というガンアクションゲーム。K/D 0.25。「あつまれ どうぶつの森」や「マインクラフト」も平行してプレイいる。

    前回の記事の続きになります。

    今回も弊社のリモートワーク状況全般に関してお伝えしたいと思います。

    リモートワーク時の環境について(そして猫)

    リモートワークをする上で重要なポイントとなるのが「環境」です。自宅で仕事をする場合、業務に集中できる環境を確保できるか? というのは快適なリモートワークができるかどうかの分岐点になるでしょう。弊社スタッフにもアンケートをとってみました。

    質問:リモートワークの場所(部屋)の確保について
    • とくに問題ない(一人で集中できる部屋やスペースが確保できている)82.4%
    • 家族の共有スペース(リビングなど)で行っているので集中することが難しい 17.6%

    弊社のスタッフは性別、年齢層、未婚/既婚などはわりとばらけているのですが、8割以上の人が問題ないという状況でした。小さい子どもがいるような家の場合はどうしても集中ができない状況になるかと思われます。

    ただし、今回の場合は配偶者もリモートワークだったり、保育園や学校も休みだったりという特別な事情があるので、この先緊急事態宣言が解除されると、状況が変わる可能性もあります。

    ちなみにこれを書いてる私自身は自室(プライベートルーム)があるのでリモートワーク環境はバッチリなのですが、家で猫を飼っていまして、まれにこれが集中を妨げる要素になることに気づきました。

    たまに部屋の扉の外でニャーニャーと鳴いていたりすると、どうしても構いたくなってしまうのです。ちなみに今は仕事をしている私のすぐ左後ろで寝ているので、今は集中してこれを書くことができています。

    まさに上の文章を書いた直後に撮影。猫は昼間は寝ていることが多いので、こちらから構いたくなる気持ちさえ封印すれば、それほどリモートワークの妨げにはなりません。逆に猫にとってはずっと家に人がるようになって、以前より心が休まらないかもしれませんね。

    リモートワークで浮いた時間の使い方

    その1でも書きましたが、リモートワークになることで通勤時間が実質的にゼロになったわけですが、その時間がどのように使われているかを社内スタッフにアンケートしてみました。

    質問:リモートワーク体制で通勤時間が実質的にゼロになったことで感じたこと
    (複数回答可なので合計が100%を超えます)
    • その分仕事をする時間が増えた 47.1%
    • 終業時刻までにしっかり仕事を終えるようになった 11.8%
    • 余暇に充てる時間が増えた 52.9%
    • 睡眠時間が増えた 35.3%
    • 特に以前と変わらない 0%
    • その他(自由回答) 17.6%

    約半数の人が「仕事をする時間が増えた」とありますが、同時に約半数が「余暇に充てる時間が増えた」、約3人に1人が「睡眠時間が増えた」と答えています。複数回答可としているのですべてに当てはまる人もいたかと思われます。この数字をどう捉えるかは難しいところがありますが、少なくとも悪い結果ではないように見えます。

    先日、NHKのニュース番組でサイボウズ株式会社の青野慶久社長が出演していて、リモートワークに関するインタビューを受けていましたが、その中でサイボウズ社は「副業を認めている」という話をしていました。

    サイボウズでは副業を認めている。サイボウズの社名を出さない副業であれば、上司の承認どころか報告する義務もない。よって、サイボウズのメンバーが今どれくらい副業をしているか私は知らない。サイボウズでの仕事が「主業」でなくてもよいので、社内では「副業」ではなく「複業」と呼んでいる。

    「副業禁止」を禁止しよう(note / 青野慶久@サイボウズ)

    「複業lab.」という副業に関しての特設サイトまで作っちゃうくらい副業推しのサイボウズ社です。こちらからどうぞ。

    番組内では大型のトラクターで畑を耕すほどの農業をしているほどのわりと規模の大きい副業をしている方が映し出されていて、私はすごくびっくりしましたが、いずれはこれが珍しくない時代が来るのかもしれません。リモートワークが普及して空いた時間を上手く使いこなす人が増えてくればいいですね。

    ちなみに弊社は「副業に関する規定」は今のところはありません。可でもなく不可でもない状態となっています。いずれこれも変わる可能性もありますが・・・

    緊急事態宣言明け、働き方が変わるかも

    4月上旬に発せられた緊急事態宣言から約1か月経過し、国内のニュースでは「出口戦略」などという言葉も聞こえるようになり、世界を見ても徐々に以前の生活を取り戻そうという動きが活発化しているように見えます。弊社もいずれこのリモートワーク体制が終了し、全員がオフィスで働く日が来ると思われます。そういう状況の中で、弊社スタッフへのアンケートで以下のような質問をしてみました。

    質問:この先、緊急事態宣言が解消されてオフィスへの通勤が可能になった場合でもリモートワークは続けたいか?
    • ぜひこのまま続けたい(必要なときに限って出社したい) 29.4%
    • 必要なとき限ってリモートワークをしたい 70.6%
    • やっぱり常にオフィスで働きたい 0%

    IT企業ではコロナ禍の以前からもフルリモートワーク体制を構築している会社は珍しくありませんでしたが、我々のような出版社や編集プロダクションではほぼ聞くことはありませんでした。

    ただ、ITやコミュニケーションツール等を適切に使うことで決してそれは難しいことではないということを今回我々スタッフは学びました。子育てだったり、年老いた親の介護だったり様々な事情を抱えているスタッフも多く在籍しており、そのような人たちにとってリモートワークができることに気づけたことは大変有意義だと思います。

    また、北海道出身の私の場合は「いつかは北海道に住みながら東京の会社で仕事をするなんてことができるといいかもなぁ」と漠然と考えてみたりもします。少し前までならそんなのまず無理だと諦めていましたが、1か月以上リモートワークを続けてきた今は、もしそういう制度ができたらもう少し真剣に考えてみてもいいなと思ったりもします。

    ちなみに弊社には今はまだリモートワークに関する規定がありませんので、こちらは今後しっかりと整備していく必要がありそうです。

    これからの303 BOOKS

    実はこの春に4冊ほど本を出版する予定でした。しかし、この新型コロナウイルス流行に関連する諸事情により、すべて発売を延期することにしました。4冊すべてほぼ完成しており、印刷をする直前の状態でストップしている状況です。この3月に出版社になったばかりの弊社としては最悪の船出となってしまいました。

    だが、しかし! やまない雨はない! 緊急事態宣言明けの夏から秋にかけては怒濤の攻勢で本を出し続けていきたいと考えているところです!(明けてくれるといいのですが・・・) 

    リモートワークという新しい武器をゲットしてレベルアップした303 BOOKSの今年の活動にどうぞご期待ください!

    CREDIT

    クレジット

    執筆・編集・撮影
    出版業界やゲーム業界を渡り歩いてきた風来のエンジニア 兼 WEBディレクター。かつて勤めていたゲームメーカーが発売したレトロゲームを数年前から収集し始めたが、数が膨大にあるのと、一部はプレミア価格が付いていて、すべて集めるのは無理と悟った。それでも直近1年間で20タイトルほど購入した。