
オフィス303の元社員、ユースケ“丹波”ササジマがコロンビアの女性にインタビューしていく連載企画。今回もエステファニア・アランゴさんへのインタビューです。今回はご家族についてお話をしています。

夕立のアンティオキア ―パイサの生き方―
ユースケは何しにコロンビアに?
それぞれ違った魅力

この前エステファニアの姉妹を紹介してくれたじゃない? みんな綺麗な上に、見た目がけっこう違っててそれぞれ固有の美しさがあるよね。お姉ちゃんは褐色系で、妹さんは黒人系で。

みんな似てないよね(笑) まあ父親が違うから当たり前だけど。

あーだからか! 全然似てないなと思ってたのよ(笑) 姉妹3人いるけど、みんな父親が違うの?

みんな違うね。ちなみに妹の父親は知ってるけど、姉と自分の父親は会ったことない。お母さんが妊娠してるって分かった途端どっか行ったみたい・・・。

わりと聞きますねそういう話・・・。お姉ちゃんとか双子の妹も子どもいるんだよね? 子どものお父さんは何してるの?

妊娠が分かった途端・・・。

歴史は繰り返すんですね・・・。そういう場合って養育費の請求とかできるよね?

できるよ。できるんだけどね・・・請求をしても結局なにもしてもらえないっていうケースが多いよ。人によるかもしれないけど。

なるほどね。それはなかなか辛いな・・・。エステファニアの子どもの父親は責任ある対応してるの?

一応ね。昔まで一緒に住んでたけど、子どもに対する扱いがひどかったから別れたわ。

扱いがひどいって、虐待するとかそういうこと?

虐待ってわけじゃないけど、子どもたちに対して明らかに愛情がないの。子ども呼ぶ時も「おいこのバカ」とかよく言ってた。

それ一種の虐待だよね・・・、別れて正解だよ。でもなんでそんな男と付き合っちゃったの?

なんでだろうねー、ほんとバカだったなって思うよ・・・もう男はいいわ。

学んだんだね(笑)

まあ、いい男だったらいいかも(笑)

同意がないまま

子どもは2人いるけど、これ以上欲しくない?

もういいかな。と思って避妊手術したのよ。あと、ちなみにじつは子どもは3人いたの。

いたっていうことは一人亡くなっちゃったの?

うん。息子がいたんだけど、生まれたときに肺高血圧を持っててね。

それで亡くなったんだ。

原因としてはそれなんだけど、厳密には助かる見込みがないからモルヒネで安楽死させられたの。

そうなんだ。それは辛かっただろうね・・・。

そうね、しかも同意なしで安楽死させられたの。

あんまり詳しくないけどコロンビアって新生児の安楽死はできないんじゃなかったっけ? しかも同意なしは絶対ダメだよね・・・。訴えを起こすことってできないの?

もちろんそれも考えたけど、まず私みたいなお金がない人間は弁護士を雇えないもん。

でも、そういう経済的余裕がない人のために働いてくれる弁護士もいるよね?

いるね。じつは相談したことがあったんだけど、訴えるのはやめといたほうがいいって言われたの。

それはどうして?

安楽死の処置をしたのは公立の病院だったから、病院を訴えるとなると国と争うことになるんだけど、そうなると訴えが通ることはかなり厳しいって。凄腕の弁護士を雇えたら違ったのかもしれないけど。

そうか、厳しい現実だな・・・。今回はここまでにしよう。次回は話題をかえて将来について聞きたいな。


夕立のアンティオキア ―パイサの生き方―
グラフィティ・ツアーガイド エステファニア・アランゴ(4話)
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