夕立のアンティオキア ―パイサの生き方―

今春から新大学生 バレンティナ・ベラスケス(2話)

この記事は約5分で読めます by ユースケ“丹波”ササジマ

オフィス303の元社員、ユースケ“丹波”ササジマがコロンビアの女性にインタビューしていく連載企画。引き続きバレンティナ・ベラスケスさんとおしゃべりしています。今回はメデジンの有名な観光地Comuna 13(コムナ トレセ)などについて話を伺いました。

ゆーすけたんばささじま
ユースケ“丹波”ササジマ

株式会社オフィス303の元社員。黒豆で有名な兵庫県丹波篠山市出身。2017年に日本を飛び出して1年ほどラテンアメリカ諸国を行脚する。現在はライターやフリー翻訳者として働きながら超低空飛行で生き延びる。

変わるComuna 13

Comuna 13(コムナ トレセ)って20年くらい前はゲリラ組織とか準軍事組織とかの縄張りを争いですごい危険だったって聞くけど、今はそんなことないよね?

笹島

20年前はまだ生まれてないので当時の状況はしらないですけど、今はそういう感じではないです。Comuna 13にはグラフィティがいっぱいあるんですけど、そういうグラフィティの背景とか歴史を紹介するツアーがあったり、ヒップホップダンスしてる若者がいたり、今は観光地としてにぎやかです。今はやってないですけど、以前には無料の英語教室とかフランス語教室とかありましたよ。

バレンティナ

Comuna 13は活気があるよね。その英語教室とかっていうのは誰がしてたの?

笹島

グリンガがいて、その人がボランティアで主催してたみたいです。私も何回か行きました。そのグリンガ、すごい忍耐力があって、みんなが分かるまで根気強く説明してくれるいい先生でしたね。

バレンティナ

※アメリカ人を指す言葉。男性はグリンゴ(Gringo)、女性はグリンガ(Gringa)という。スペインでは単に外国人を指す言葉として使われていたが、多くのラテンアメリカの国では外国人の中でもアメリカ人を指す名称として定着している。スペイン王立アカデミーは、以前まで蔑称として扱っていたのであまり使わないほうがよい。

Comuna 13にFronteras invisibles(フロンテラス インビスィブレス)ってあるの?

笹島

※直訳すると「見えない境界線」だが、意味するところは犯罪組織の縄張りの境界線。数は非常に少ないが、メデジンには複数の犯罪グループが仕切っている地区があり、そうした境界線をひいている。住人はもちろん、部外者もその境界線を自由に行き来できないので、現地人でも立ち入ることはできない。もちろん立ち入ると非常に危ない。

まだあることにはあると思います。でも、みんな地区内を自由に往来してるので基本的には何も起きないですね。少なくとも観光客がよく来る場所にはないと思いますよ。

バレンティナ

だよね。何回も行ったことあるけど危ない雰囲気は全くないよね。

笹島

目立ったことをしないで、誰にもちょっかいをかけなければ何も起こらないですね。

バレンティナ

ところで、Comuna 13のグラフィティってめっちゃかっこいいけど誰が描いてるの?

笹島

何人かのアーティストが描いてるらしいですね。その中でChotaっていう人が一番有名です。たしか、エスカレーターでいくらか上ったところに彼のGraffilandia(グラフィンランディア)っていうカフェ兼ギャラリーがありますよ。

バレンティナ

※Comuna 13のグラフィティアーティストとして知られる。本名はジョン・アレクサンデル(HP)。Aroma De Barrioというカフェも経営しており、クリントン元アメリカ合衆国大統領やサッカーオランダ代表のライアン・バベルなどが訪れている。

ああ行ったことある! やけにかっこいいグラフィティがあちこちにあるカフェだなって思ってた。

笹島
Chota 氏の作品
Chota氏の作品のひとつ。こうしたグラフィティが Comuna 13 にはたくさん描かれている。

お酒もクラブも18才から

今は入学までのお休み期間なんだよね。 どうやって過ごしてるの?

笹島

出かけたり、踊ったりですね。とくに何もしてない(笑)

バレンティナ

何を踊るの? 若い子だったらやっぱりレゲトンとか?

笹島

そうですね。

バレンティナ

やっぱ若い子にすごい人気だなレゲトン。サルサとかバジェナトとかクラシックなダンスはやらないの?

笹島

サルサは練習しないと踊れないですね。バジェナトは昔少しやってました。学校でダンスの授業とかあったんでそのときに。

バレンティナ

サルサもバジェナトもステップとかいろいろ練習しないといけないもんね。その点レゲトンは手軽だからね。クラブとか行って踊るんだよねもちろん?

笹島

いやいや、家で踊るんですよ。私まだ未成年だからクラブ入れないんで。

バレンティナ

※コロンビアでは18才で成人となる。

あ、そっか。クラブって18才から入れるんだったよね。未成年でも入れる違法営業じゃないクラブってないの?

笹島

数はそんなに多くないと思いますけど、ありますね。そういうクラブは、もちろんですけどお酒は提供してないですね。

バレンティナ

成人したらクラブ行きたい?

笹島

そりゃそうですよ! めっちゃ行きたい。

バレンティナ

あと1年の我慢だね。ちょうど大学の授業も始まるし1年なんてあっという間に過ぎるよ。大学の授業って週に何回で何時から何時までなの?

笹島

まだわからないんですね。そろそろ大学側から連絡がきてどういうスケジュールで勉強したいか聞かれるんですよ、授業は午前の部がいいか午後の部がいいかとか。

バレンティナ

なるほど。そういう時間割はもう一応決めた?

笹島

まだです(笑) そろそろ決めないといけないなぁ・・・。

バレンティナ

まだもう少し時間があることだしゆっくりと考えよう。 今回はこの辺にして、次回は好みのタイプとかを聞いていきたいです。

笹島
腰に手をあてるバレンティナさん
腰に手をあててお尻を少し出すこの姿は、こちらの女性の間で定番の写真のポーズ

今春から新大学生 バレンティナ・ベラスケス(3話)

CREDIT

クレジット

撮影・聞き手・執筆
株式会社オフィス303の元社員。黒豆で有名な兵庫県丹波篠山市出身。2017年に日本を飛び出して1年ほどラテンアメリカ諸国を行脚する。現在はライターやフリー翻訳者として働きながら超低空飛行で生き延びる。