Hwyl、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023ライブレポート

幻から現実へ、その先へ。

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2023年8月5日〜6日、11〜13日に千葉市蘇我スポーツ公園で行われたROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023。8月5日にオープニングアクトで登場したHwyl(ヒュイル)についてレポートする。

by 常松心平、三橋太央

幻の JAPAN JAM 2023 SUNSET STAGE

Hwylは、2021年にヴォーカル・あきたりさ、ギター・クマダノドカによって結成され、2023年5月にはサポートをしていたベース・タケマトモヤが加入した3人組のバンドだ。同じく5月には1stフルアルバム『ASAGU』をリリースした。Hwylとは「感情の高まり」という意味だ。

多くのミュージシャンにとっての憧れのステージであるROCK IN JAPAN FESTIVALではあるが、Hwylにとってこのステージに立つことには特別な思いがあった。実は5月に開催されたJAPAN JAM 2023のオープニングアクトをかけたROAD TO JAPAN JAM 2023の勝者となり、5月6日のステージに立つはずだったのだ。

直前まで降雨の予報が出ていて、天候が危ぶまれていたが、当日は快晴。なんの障害もないはずだった。しかし、朝から猛烈な海風が吹き荒れ、Hwylがオープニングアクトを務めるはずだったSUNSET STAGEは封鎖という判断となってしまった。

リハーサルまでやった後、中止が決定し、メンバーはバックステージで落涙したという。すべての公演が終わった後、クロージングDJを務めるDJ和が、Hwylの代表曲である『暮らし』をかけたのが、メンバーにとって、ファンにとっての救いであった。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023 LOTUS STAGE

そして、今度はROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023のオープニングアクトのチャンスをHwylが再び手にする。約3ヶ月ぶりのリベンジとなった。当日はやはり快晴。この日は風も弱く、天候がHwylの行く末を遮ることはもはやできなかった。

プロデューサーの海津亮氏が登場し、いよいよROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023の開催が告げられる。海津氏はこういってHwylを称えた「日常生活の些細なことを、独特な韻を踏んだ、文学性のある言葉で表現する、すばらしい発明のようなバンド」。

ついにHwylが登場し、あきたりさは宣言した。
「ロッキン2023、Hwylが開幕します!」

セットリスト
 01. 暮らし
 02. 現在地
 03. さすらい
 04. Treasure

新曲『さすらい』を含む4曲をプレイしたHwyl。わずか12分のステージだったが、灼熱の中、音楽を渇望する観客たちに、このバンドの鳴らした音が、言葉が広がり、瞬く間に浸透していく。「ヒュイル」という読み方すら知らなかったはずの観客の心は、確実に高まっていった。

オーディションで勝ち取ったオープニングアクトを無事務めたHwyl。しかし、あきたりさは、こう言った。

「今日この場所に来れてめちゃくちゃうれしい。でも、次は実力でこの場所に帰ってきたいと思います」。


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