出版不況と囁かれ始めて早20年近く、
紙媒体の書籍の販売は振るわず、
続々と電子書籍の市場が拡がっていく昨今。
特に漫画の電子書籍シェアは大きく伸び、
すでに売上は紙媒体と並んでいて、
今に追い越さんばかりだ
しかし、そんな中
自費出版で本を販売する人々がいる。
コミケ? いいや違う
二次創作禁止!
コスプレ禁止!
ストイックかつマニアックな嗜好を展開させるこのイベントこそが、
コミティアである!!
コミティアとは
プロ・アマ問わないマンガ描きたちが自費出版した本を発表・販売する展示即売会。
個性を持つ作家の表現の舞台であり、読者にとってまだ見ぬ宝探しの山でもある。
(コミティア公式サイトより一部抜粋)
年に4回、東京ビッグサイトで開催されるコミティアは約3,000~5,000のサークル出店者が集い、総来場者数は3万人近くにも上る。
現在は東京のみならず、大阪、名古屋、新潟、北海道、福島、福岡の6都市でも開催されている。
そこで発表される販売物はマンガ本に留まらず、イラスト本や小説や評論、音楽CDやグッズの展開まであらゆる創作の場としても拡大している。
印刷企業や出版社も参加していて、実際にここから輩出されたプロも多く、その功績は文化庁からも認められているところだ。
ひとつのブースをピックアップしてみよう
今回のコミティア130で、なんとも分厚い冊子を販売していたブースがあった
ページ数にして304ページ!
本? というよりはむしろ「箱」である!
1500円は漫画の値段設定としては
決して手に入れやすいとは言えないものだが
装丁・デザインは非常にシンプルで見やすく、
その美しさたるや堂々とした出で立ちである。
冊子の名前は『すいかとかのたね』
17人の作家たちによる漫画やコラム文章をまとめたアンソロジー※漫画雑誌である。
※アンソロジー:異なる作者による作品を集めたもの
何を隠そう、筆者もこの制作陣の内の一人なのだ
団体名も同じく『すいかとかのたね』
そのブースの独立した雰囲気と、凝った装丁の分厚い雑誌たちが並ぶ机の上の世界観は、一種異様でもあった。
彼らは今回のコミティア130で新作の漫画雑誌を
50冊! それなりの値段でありながらも完売という快挙を成し遂げていた
2015年からコミティアに参加してきた『すいかとかのたね』がどのような道筋をたどってきたのか、またどのようにして今回の新作が生まれたのか
次回から触れていこうと思う。
インディー漫画雑誌『すいかとかのたね』はこちらの通販ショップでご購入いただけます!
https://suitane.theshop.jp
また、すでに売り切れてしまった既刊の掲載漫画はこちらのホームページでお読みいただくことができます! 短編漫画を掲載していたり、作家メンバーによるpodcast配信もしておりますので、こちらもよろしければ是非!
https://note.com/suikatokanotane/magazines