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2013年にオフィス303企画制作で、TOブックスから発行された科学絵本『そらのうえ うみのそこ』。縦型の絵本で、上から読んでも下から読んでも読むことができる絵本です。主人公はインディ号に乗るタケシ。国際宇宙ステーションから、マリアナ海溝の底まで、さまざまな自然現象、不思議な生物たちと出会いながら大冒険をします。しかし、あえなく絶版。そこで303 BOOKSでリメイクして、2020年6月に再発することにしました(※追記:少し遅れて2020年7月31日に無事発売しました)。このサイトで、その進捗を報告していきます。そこで、まずは監修者である広島大学の長沼毅教授にお会いしてきました。
![長沼毅さん](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in001-30-1024x683.jpg)
1961年、人類が初めて宇宙へ飛んだ日に生まれる。 1989年、筑波大学大学院生物科学研究科修了。深海から宇宙、北極から南極、砂漠から高山まで、あらゆる極地で、生命について研究する。科学界のインディ・ジョーンズの異名を持つ。JAMSTEC研究員、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校研究員を経て、現在は広島大学大学院統合生命科学研究科教授。
『そらのうえ うみのそこ』誕生
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長沼先生! 『そらのうえ うみのそこ』で303 BOOKSで再発することになりました。そこで先生にアップデートの相談をしつつ。監修していただいた先生自身のお話をうかがえればと思います。
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改めて読んでみると、いい本だね〜。
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
ほんとにそうなんですよ! この本をつくる少し前、2012年に講談社の『WONDER MOVE 大自然のふしぎ』という本で、初めてご一緒したんですよね。
![move 大自然のふしぎ](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in002-34.jpg)
![『WONDER MOVE 大自然のふしぎ』](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in003-30-1024x626.jpg)
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
そうだね。宇宙や、深海、南極や北極、砂漠、火山なんかの自然現象と、そこに生きる生物を取り上げた本をつくったんだよね。子ども向けでここまでやるか!というネタをたくさん入れたね。
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そういう流れがあって、この絵本『そらのうえ うみのそこ』が生まれました。
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宇宙と深海、両方同時に監修する人は僕以外にはいないかな(笑)
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そうですね(笑)だからインディ号だし、主人公はタケシなんですよ。
![『そらのうえ うみのそこ』表紙](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in004-26.jpg)
![『そらのうえ うみのそこ』宇宙](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in005-21-369x1024.jpg)
![『そらのうえ うみのそこ』積乱雲](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in006-14-369x1024.jpg)
![『そらのうえ うみのそこ』日本上空](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in007-10-369x1024.jpg)
![『そらのうえ うみのそこ』研究所](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in008-6-368x1024.jpg)
![『そらのうえ うみのそこ』海底](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in009-6-369x1024.jpg)
![『そらのうえ うみのそこ』深海](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in010-6-369x1024.jpg)
監修:長沼毅、絵:大橋慶子、装丁:セキネシンイチ
協力:寺門和夫、佐藤孝子 編集:西塔香絵、常松心平、設楽幸生
チューブワームがはじまり
![話す心平と長沼教授](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in011-6-1024x682.jpg)
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
先生ってそもそもどうして極限の世界に興味をもったんですか?
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
実は僕は出不精で、極限の世界なんて嫌いなんだよ。用があるから行っているにすぎないので(笑)
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
えっ! それはどんな用が??
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
僕が本当に自分から興味をもったのは、深海に住むチューブワームだけなの。それだけは自分の意志で調査にでかけた。
![チューブワーム](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in012-5-640x673.jpg)
Photo: Charles Fisher) – Microfauna–Macrofauna Interaction in the Seafloor: Lessons from the Tubeworm. Boetius A PLoS Biology Vol. 3/3/2005, e102 doi:10.1371/journal.pbio.0030102
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
チューブワームだけですか??
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
そうそう。JAMSTECのときに、潜水調査船に乗って、海底火山の近くのチューブワームに会いに行ったんだよね。
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
チューブワームってふしぎな生物ですよね〜。
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
そう。チューブワームはおもしろくて、世界中の海底火山にいると思いきや、大西洋にはいないのよ。
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
あ! そうなんですか! 知らなかった!
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
それで、「なんでかな?」と思っていたら、「大西洋の海底火山に潜らないか?」と言う話が沸き上がって、「じゃあ行きまーす!」というノリで行くことになって。
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
なんか、温泉いかない? みたいなノリですけど(笑)
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
それで行って潜って、チューブワームいないんだけども、ぶくぶくお湯が湧いてくるわけ。「あのお湯の中に微生物がいるぞ」と言うから、その微生物を培養しようと思ったわけ。
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
培養しちゃうんですね。
![LOFT9で話す二人](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in013-3-1024x682.jpg)
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
そうそう。普通、培養する時には化学薬品を使うんだけど、それを忘れちゃって。「どうしよう?」と思ったんだけど、ふと思いついて「塩をぶち込もうか」と。
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塩??
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海底火山の底で海水が分離するのよ。真水と超濃い塩水に。その超濃い塩水にも微生物がいるはずなんだ。それを取ろうかと思って、塩を培養したらやっぱりいるんですよ。生物が。
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超塩水でもいるんだ。
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/3dba5e6106574c.jpg)
それで日本に帰ってきて、データベースに照合したら、近い生物がいる。それがなんと南極の微生物だったんだ!
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南極なんですか!?
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そうしたら、南極に行かないか?って話になってきて・・・。
![](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/maru_sinpei_right.jpg)
ちょっと待った! 先生、すごくおもしろいので、南極からの話は来週もう一度掲載させてください! というわけで、この続きは次回。お楽しみに!
![LOFT9 Shibuya](https://303books.jp/app/uploads/2019/12/a_in014-3-640x427.jpg)
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS(キノハウス) 1F
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渋谷円山町にあるトークライブハウス。日中はフードもドリンクもバラエティ豊かなメニューが揃うカフェだが、夜は超バラエティ豊かなトークライブが連日行われる。アーティスト、学者、芸人、アイドルなどが、「トークライブ」ならではの、密度の濃いコミュニケーションを生み出していく。
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