前回は繊維画のみならず、様々な技法で描かれた稲葉怜さんの作品についてうかがいました。今回は最近の作品や今後の活動についてうかがっていきたいと思います。
アーティスト稲葉怜の『New season』
アートに出会う
ふたたび繊維画へ
今年に入ってさらに様々な場所で作品を展示されてますね。
そうですね。国内はもちろん、海外でも展示しています。
まず国内での展示についてうかがいたいと思います。ギャラリー以外にもショップや飲食店での展示をされていますよね?
はい。今年は銀座にある Tully’s のポップアップやカフェやセレクトショップで回顧展を開催しました。そして個展『New season』では KAISU さんでも展示をさせて頂きました。
怜さんの作品が今すごく求められているんですね。『New season』での展示についてうかがいます。これは繊維画が中心の展示ですね?
はい。『音吐』や最近描いた繊維画を展示しています。
最近の繊維画は、また『音吐』とは違う印象ですね
まず支持体※によっても違うのですが、最近はキャンバスにアクリルでベースを描いてから、繊維画にしていきます。
※支持体=キャンバスなど、作品の物質的な基盤となるもののこと。
なるほど。色合いもポップで華やかな印象の作品ですね。今はまた繊維画をやろうという感じになっているのでしょうか?
そうですね。繊維画は今後もつくり続けていこうと考えています。
再び繊維画に集中して制作するんですね。
そうなると思います。やはり、ワクワクしないと作れないんです。それで、今やっていることが出しきれたら、次にという形で制作してきてると思います。
なるほど。常に変化し続けていくわけですね。
海外での展示が続く
海外での展示について伺いたいと思います。今までどこの国で展示されたんですか?
オーストラリアのゴールドコーストとバイロンベイで開催しました。またインドネシアと台湾でアートフェアに参加しています。
そうなんですね。そして今年また海外で展示しますよね。
9月にメルボルンのアートフェアに参加しました。それから、10月にアムステルダムのアートフェアに参加します。それからパリでの展示の話も決まりました。
おお~! 世界に向けて進出ですね。海外での展示というのは意識的に増やしていこうと考えているのでしょうか。
そうですね。日本以上に作品についての反応がダイレクトにわかるので増やしています。
そうなんですね!
今後は、さらに多くの人が私の作品と出会えるようにしたいし、私自身も新たなことや人たちと出会いたいです。
展覧会のタイトルの『New season』ってどういう意味なんですか?
アーティストとしての活動体制を一新したんです。私の作品を見ていただく人たちに新しい感覚を味わってほしい。 そんな意味を込めて『New season』とつけたんです。
それからCafe de Diana GALLERYで『Sings Of Autumn』が行われましたね。
前期、後期2回にわけて『New season』でも展示した作品に、新しい作品を加えた前期と、ゴールドコーストの展示を経て日本に帰ってきた作品とあわせて、2019年に制作した繊維画を中心に「今」のわたしを表現しました。
また、稲葉さんの新たな一面が見られました。稲葉さんの活動にこれからも注目させていただきます。また、ぜひ次の展覧会も取材させてください!
Cafe de Diana GALLERY
東京都渋谷区神宮前1-8-6 ダイアナ原宿店2F
03-3402-8211
ダイアナ原宿店の2階にあるカフェ。ギャラリーとしてアーティストの作品を展示していて、香り立つ珈琲とともに楽しむことができる。全面ガラスの店内からは、竹下口交差点の賑わいが見られる。
「旅慣れたトラヴェラーにも愛される宿」をコンセプトに2015年6月に赤坂にオープン。以来、世界から集まった約1万人以上が宿泊した。1階のバーでは定期的にアーティストの展覧会が開催されている。