着物の糸を貼り付ける独自の「繊維画」で作品を作り出す、アーティストの稲葉怜さん。7月から、稲葉さんが立ち上げたアートプロジェクト『砂漠の水』が始まりました。今回は、KAISUでの展示に参加した、モデルやタレントとしても活躍をしているアーティストのアダムス亜里咲さんに、幼少期から現在までのお話や、個性的なキャラクターの作品への思いをおうかがいします。
アーティスト稲葉怜を中心に立ち上げた『砂漠の水プロジェクト』始動
「KAISU」から始まった『砂漠の水プロジェクト』への想い
『砂漠の水』プロジェクト Instagramアカウント https://instagram.com/desert__water?utm_medium=copy_link 『砂漠の水』staff Instagramアカウント https://instagram.com/desert_water_staff?utm_medium=copy_link
東京で生まれ、3歳からアメリカへ
亜里咲さんは、お父さんがアメリカ人で、お母さんが日本と中国のハーフなんですよね?
そうですね。おじいちゃんが中国人で、おばあちゃんが日本人です。
出身は日本になるんですか?
はい。東京です。
最近アメリカから日本に戻ってきたと聞いたのですが、何歳の時にアメリカに渡ったんですか?
アメリカに行ったのは3歳のときです。
じゃあ小学校や大学もアメリカの学校に?
そうですね。高校は、アートの専門学校に通っていて、大学はシカゴの美術大学に通っていました。
大学では何を学んでいたんですか?
油絵と彫刻の勉強をしていたんですけど、結構いろいろ学べる学校だったので、ペインティングや生地についても勉強していました。
アートのことは一通り学べる学校だったんですね。
そうなんです。いろいろ興味があったので、幅広く学べるその学校にしました。
アートにはいつから興味があったんですか?
5、6歳くらいのときからだと思います。勉強が苦手だったのでアートの授業がすごく楽しくて、休み時間はすぐにアートルームに行ったりしてました。
アートルームっていうのがあるんですか?
はい。休み時間の時とかはカフェテリアに行くこともできるし、アートルームでご飯を食べたり、自分の終わってない作業とかがあったら作業もできるんです。
いいですね。日本にはあまりない制度なので。
私はアートルームでずっと作業してました。
大学を休学して日本に
日本にはいつ戻ってこられたんですか?
3年前の、5月15日!
そこまで覚えてるんですね!(笑)何がきっかけで日本に戻ってきたんですか?
日本のファッションやアートにすごく興味を持っていたので、いつかは東京に住んでみたいなっていう気持ちがあったんです。その時に日本語の勉強もしていたので、学校にはいつでも戻れるからとりあえず日本に行ってみようと思って。
学校を休学して日本に来たということですか?
そうです。
じゃあまた戻る予定があるんですね。
日本がすごく好きなので、多分ないと思う(笑)
なるほど、なるほど(笑)
日本で活動したいんですよね。
ご両親も一緒に戻ってこられたんですか?
1人で来ました。
そうなんですね!日本語はもともと今みたいにスムーズに話せたんですか?
いや、東京に引っ越してきてから喋れるようになりましたね。
約3年でここまで話せるのはすごいですね!
まだまだ毎日勉強中です。
自分のお守りとして作ったキャラクターの数々
亜里咲さんは今アーティストとして、粘土細工をメインに活動されているんですか?
あまり決めてないですね。でも今はアクセサリーに一番集中していて、髪飾りをたくさん作っています。自分自身、洋服が結構シンプルなものが多いので、アクセサリーで楽しむことが好きなんですよね。
テレビに出られる時のヘアスタイルもすごく可愛いですよね。
ありがとうございます!いつもすごいリクエストしてます。クレイジーヘアーにしてくださいって(笑)
お部屋を見る限り、アクセサリー以外のものも今回作ったんですか?
今回の個展に向けてチャレンジもしたいと思ったし、やっぱり自分の表現したいものはいろんな素材を使った方がいい気がしたので、手縫いのぬいぐるみとかも作りました。
このキャラクターたちは何かコンセプトがあるんですか?
すべてが、お守りキャラとして自分に作ったものなんです。最初は3年前に東京に引っ越してきたときに自分を守ってくれる存在が欲しくて、うさぎとおじさんのハーフの「うっさん」を作ったんです。そしたらうっさんの家族や友達のこともいろいろ考えはじめて、今ではたくさんのキャラクターが生まれました。
うっさんを中心にどんどん広がっていったんですね。それぞれキャラクターが個性的ですが、何をイメージして作られているんですか?
キャラクターを最初に作りはじめた時は、あまり何もイメージしないまま粘土でくねくね作り始めたんですけど、もともとリラックマが大好きだったので、自分もそういう癒されるキャラクターを作りたいと思ったのが1つのきっかけでしたね。あとは、自分の今まで感じてきた気持ちや経験を作品に反映させてるというのもあります。
じゃあデザインの発想は、作りながら生まれるんですか?
そうですね。東京ってすごく賑やかじゃないですか。だから例えば、原宿に行く時に見かけた色とか、個性的な衣装を着ているかたを見て、インスピレーションが沸くこともあります。
東京が、亜里咲さんの作品のひとつの材料になっているんですね。
多分東京に引っ越してなかったら、こういう作品は作れなかったと思います。
自分のコンプレックスを作品に
このキャラクターたちって、亜里咲さんがこういう存在が欲しいと思って作り出されるんですか?
そうですね。例えばうっさんは手足がすごく長いのが特徴なんですけど、これは私がモデルを始めた時に、周りに手足が長い人が多い中、子供の頃からのコンプレックスだった自分の大きい足を思って作ったんです。そういう自分の嫌な部分とかも作品にすることで、そこからもっと好きになれると思うので、1人ずつ、自分の足りない部分とかを考えながら作ってます。
亜里咲さんの感情が動いたり、コンプレックスを感じたときに作品が生まれることが多いんですね。
そうですね。この足の花瓶も、自分のコンプレックスだった足を花瓶に入れたらお花みたいに綺麗かなと思って、思いきり足を大きくして花瓶に入れてみたんですよ。
考え方が素敵ですね。
ありがとうございます!
粘土細工って、どういうふうに作ってるんですか?
髪飾りだと、粘土で形を作ったら、専門のオーブンで焦げないように焼いて、アクリルなどを塗って質感を出して、最後にコーディングを何回もして完成します。だいたい1個4~6時間くらいですかね。
粘土細工以外にはどういうアート作品を作っているんですか?
アクリルやウール、毛糸を使った作品なども作っています。
今までも展示会に出たりしたことはあるんですか?
高校生の時に、他の学校の学生とグループ展みたいなものはやったことがあるんですけど、今回みたいに、個展のように一部屋使って展示するのはこれが初です。
キャラクター誕生の原点は「うっさん」
この展示の中で、思い入れのある作品はありますか?
きっかけはやっぱりうっさんなので、この作品には思い入れがありますね。彼を作ってなかったらその周りのキャラクターも生まれてないので。
キャラクター全員にストーリーがあるんですか?
うっさんだけにストーリーをあげたら可哀想だと思ったので、みんなにもちゃんとあります。全員に気持ちを込めて作ってるし、自分の経験の塊として作っていますね。
亜里咲さんが作品の一部になってるということなんですね。
私も入ってるんですけど、やっぱり私を守ってくれるっていう両方がありますね。これ(写真)が最初に出来上がったシリーズなんですけど、この子たちが本当に大好きで、普段でもつけたいと思って指輪や髪飾りなどのアクセサリーを作りはじめました。
アーティストとしては、他に何か活動をされてるんですか?
アーティストのインスタグラムはあるんですけど、それ以外の活動はまだできていないんです。だから今回も、自分が展示会に出られると思っていなかったので、主催者の稲葉さんに誘っていただいて本当に感謝してます。
※アーティストとしてのインスタグラム
https://www.instagram.com/arisaadamsart/?hl=ja
将来、自分のブランドを作って、アクセサリーのショップを立ち上げたいっていう願望とかはあるんですか?
あります! 今ちょうどブランド名とかを考えていて、名刺とか細かい部分もいろいろ作っていきたいと思ってます。
ご自身でブランドのモデルもできますもんね。
そうですね!
次回は、アーティストとしての今後の目標や、モデル、タレント業についても聞いていきたいと思います!