
身のまわりにある物を使った、楽しいおもちゃ作りを提案する佐藤蕗さん。2020年11月に2冊目の著書『ふきさんのアイデアおもちゃ大百科』(偕成社刊)が発売されました。前回はTwitterでバズった話。今回もバズることについて話をしつつ、そもそも「なんでおもしろいことを考えつくの?」ということについてもうかがっていきます。

おもちゃ作家・佐藤蕗さんのクリエイションの狭間 インタビュー
Twitterでバズったら

手づくりおもちゃ作家
子育てをしながら作り始めたおもちゃが反響を呼び、雑誌やウェブ、テレビ、ワークショップなどで活躍。9才と2才の男の子のお母さん。著書に「ふきさんのアイデアおもちゃ大百科」(偕成社刊)がある。
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お子さんはおいくつになられました?

9才と2才です。

1冊目の本の時は自分と同じ育児をしている親が作ることを想定して作ったけれど(親子で笑顔になれる 魔法の手作りおもちゃレシピ)、2冊目は子どもが読める本にしたんですよ。

それはお子さんが大きくなったからっていうのも関係がありますか。

ありますね。それに自分が親であることにも慣れて、一周まわった感じがします。素直に自分が子どもの頃に作っていたものに戻ってきているかんじ。

自分が子どもの頃に作っていたものを覚えてるのもすごい。

結構再現してますよ。つくりかたもね。今回の本は子どもがひとりで作れるように全部ふりがなを入れています。

お子さんの年齢とともに変化していますね。

忍者のやつも(前回参照)、なんでバズったかというと、子どもの頃に親の車に乗って外を見ている時に、同じ想像をしていたのを具現化しただけなんですよ。バズった理由も、「自分も子どものときにずっと考えてた」っていう人がめちゃくちゃ多かった。

そういう風に物事を見てる人が意外と多いってことなんですね。

最初に共感があったみたい。「あ、これは俺もやってた」とか。あとは、動画としてわかりやすいからバズったのもあります。でもね、海外でも同じように想像してた人たちがいっぱいいたの。でも海外だと忍者じゃなくて、スケボーに乗ってるパターンを想像している人が多かった。でも日本は忍者が圧倒的に多いんですよ(笑)。

おもしろいですね。海外バージョンでスケボーのおもちゃを作ると、新たなバズが生まれるかもしれないですね。

スケボー以外だとソニックを想像している人もいました。でもね、忍者のアイデアを最初に出したのは2016年ぐらいなんですよ。ツイッターとかでアップしたんだけど、数百くらいとそこそこぐらいのリツイート数でした。だからタイミングがあるんですよ、バズには(笑)。偶然目につく時間帯だったりとかね。


偶然目につく時間帯っていつなんでしょう。

なんかその辺はね、PRやる人はすごい研究してるんだって。

へえー。みんなすごいな。

YouTubeは夜の何時にあげた方がいいとかね。

確かに最近、料理の画像をアップしてる友だちは金曜の夜と土曜日の夜はフォロワーが増えないって言ってました。逆に日曜日が増えるそうです。

多分リーチする層によるんだよね。人によっては土日は子どもの世話で見れないとかあるから。

あー主婦層を狙うなら平日昼間だったりするわけですね。

そうみたい。でも私の場合はターゲットを狙って投稿するというのが得意ではないですね。

あ、蚊が止まってるやつかな。

そうそう。あれめっちゃバズってませんでした?

いや、バズは等身大パネルですね。等身大パネルはめちゃくちゃバズりました(笑)。あれこそ海外ウケしたかな。海外のニュースでいっぱい流れて。

おもしろおかしくやっていたらバズったみたいな感じですね。そういうおもしろいことをいつも考えられるのがすごいですよね。多分普通の人ってそこまでおもしろいこと普段考えてないですから。こう、日々の生活に追われてるっていうか。蕗さんやねじさんみたいに、生活にこんなのがあったらおもしろいよねとか、毎日を楽しくする工夫を考えられたらもっと生活や人生楽しいんじゃないかなって思いますよね。おふたりはそれが仕事にもなっているわけですが。

多分もともとそういうタイプだっていうのもあるし、お互いが影響しあってるところはあります。うちは家族全体がそんな感じなんですよ。ちょっと誰かがおもしろいこと言ったら「それやろうよ」みたいな感じになるから。そういうかけらを全部拾い上げていくっていう文化があるの。(笑)

全部拾うんですね(笑)。

なんか、みんながそういう感じだから、当たり前なんですよね。

その思考を知りたいなって思うんですよ。子どもの頃に考えていたアイデアって、ほかに何がありますか?
