みなさんこんにちは! 林です。
楽器を弾くことと都市伝説が好き。最近バーコードを自分で読み取るスーパーのセルフレジのスピーディさに感銘を受けたが、長ネギ等のバーコードが付いていない商品をどうすればいいかわからず結局有人レジに並んでしまう。
論理パズルはヤワじゃない
睡眠薬入りジュースを見つけ出せ
前回は気まぐれな猫に関する論理パズルをご紹介しました。
前回、前々回と難易度の高い論理パズルが2問連続で続いてしまったので、今回は趣向を変えて比較的わかりやすく面倒な計算が必要ない論理パズルを3問ご紹介させていただきます!
2種類の錠剤
あなたは毎日1回、薬Aと薬Bを必ず1錠ずつ飲まなければなりません。AもBも見た目が同じで、包装シートから取り出すと見分けがつきません。
ある日あなたはAを1錠取り出した後、誤ってBを2錠取り出してしまいました。あなたの手にはAが1錠、Bが2錠ありますが見分けがつかず困ってしまいます。
AとBを1錠ずつ飲むためにはどうすれば良いでしょうか?
なお、AとBは大変高価な錠剤なので、手にある3錠を捨てて新しく1錠ずつ飲むことはできません。
必ず飲まなければならない高価な薬なのに、そんな紛らわしく作らないでほしいですよね。しかしそんなことも言っていられません、どうすれば良いでしょうか?
少し下にスクロールすると答えがあります。
Aをもう1錠取り出し、4つの錠剤を全て半分に分割する
Aをもう1錠取り出すとあなたの手にはAとBがそれぞれ2錠ずつあることになります。
それらを全て半分に分割して、片割れを飲めば
A 1/2錠を2つ
B 1/2錠を2つ
飲むことになるため、結果としてA、Bを1錠ずつ飲むことができます。残った片割れは明日飲みましょう。
プレゼントの輸送
A国に住むあなたは箱の中にプレゼントを入れて、遠く離れたB国に住む家族に送りたいと考えました。
しかしB国は治安が悪く、箱に南京錠をかけなければ輸送中に中身が盗まれてしまいます。南京錠に鍵をかけていれば箱も中身も盗まれる心配はありません。
一つの箱に南京錠はいくつでもかけることができ、箱と南京錠と鍵はA国でもB国でも簡単に買うことができます。
しかし南京錠と鍵は必ずペアで売られており、同じ型のものは一つとしてありません(A国で買った南京錠を、B国で売られている鍵で開けることはできません)。
南京錠をかけた箱とその鍵を一緒に輸送すると当然その鍵を使われ中身が盗まれてしまいますし、箱の中身がたとえただの鍵でも盗まれてしまいます。
安全な輸送が保証されているのは、錠のついた箱の中身だけです。
さて、あなたはどのようにすればプレゼントを盗まれることなく家族の元へ送ることができるでしょうか?
プレゼントを入れた箱に鍵をかけ、その鍵が盗まれないようにするため他の箱に入れてまた鍵をかけ、その鍵をまた他の箱に・・・なんてやっても結局うまくいきません。
さてどのようにプレゼントを輸送すれば良いでしょうか?
少し下にスクロールすると答えがあります。
少し長いので以下に解説します
プレゼントを入れた箱に鍵をかけ、その鍵を他の箱に入れて鍵をかけ・・・とやるのは少し考えると上手くいかないことがわかると思います。
どうやら一度の輸送では上手くいかなそうだぞ、何度か往復させる必要があるのではないか、という発想にたどり着けるかどうかがポイントです。
まずあなたはプレゼントを入れた箱に南京錠①をかけ、その鍵である鍵①は手元に置いてB国へ送ります。
B国に住む家族には届いた箱に南京錠②をかけてもらい、その鍵である鍵②は手元に置いて送り返してもらいます。
あなたの元へ戻ってきた箱には、南京錠①と南京錠②が両方付いた状態ですので、手元の鍵①を使い南京錠①を外します。
そして南京錠②のみがついた箱を家族へ送ってあげれば、家族は手元にある鍵②を使って箱を開けることができました。
「一つの箱に南京錠はいくつでもかけることができる」という部分が問題攻略の鍵となっていたのです。
父の遺言
あなたはある村の羊飼いです。
あなたの家の隣には父親1人、息子が3人の4人家族が住んでいました。ある日、父親が亡くなり3人の息子には遺産として17頭の羊が残されました。
その父親の遺言には、
長男には全体の1/2の羊
次男には全体の1/3の羊
三男には全体の1/9の羊を分けるように、とあります。
しかし17頭の羊は2でも3でも9でも割り切ることはできません。そのため兄弟たちは喧嘩ばかりしています。
それをみかねたあなたがうまい解決法を思いつきました。
さあ、それはいったいどういうものでしょう?
彼らは羊飼いですので、羊を解体して割り切ることはできません。17頭の羊を解体することなく、うまい具合に分けるにはどうしたらよいでしょうか。
少し下にスクロールすると答えがあります。
自分の羊を1頭差し上げるふりをした。
答えの意味が全くわかりませんね(笑)。解説していきましょう。
まずあなたは兄弟たちに自分の羊を1頭差し上げようと提案します。そうすると羊は全部で18頭になります。これを遺言通り分割してみましょう。
長男には18頭のうち1/2の9頭
次男には18頭のうち1/3の6頭
三男には18頭のうち1/9の2頭を分割できますね。
さて、9頭+6頭+2頭はいくつになりますか? そう、17頭です。
したがってあなたは実際には自分の羊を差し上げることなく、遺言通り羊を分割することができました。
なんだか狐につままれたような感じがしますね・・・。何故こんなことが起こるのでしょうか?
実は1/2+1/3+1/9を計算すると1にならず17/18になります。
その為、17頭ではなく18頭で計算をすると、分割した後に1/18が余る仕組みになっています。この1/18こそが、あなたが差し上げようとした1頭になります。
実はこの話には続きがあります。
遺言に正確に従って計算したとしましょう。
長男は8.5頭
次男は5.666・・・頭
三男は1.888・・・頭
の羊を得ることになります。
ここで3人が喧嘩をするのではなくお互い譲り合って、長男は8頭、次男は5頭、三男は1頭の羊で我慢したとします。
そうすると、8頭+5頭+1頭は14頭ですから、3頭の羊がちょうど余ることになります。その3頭を1頭ずつ3人が貰えば、今回の解答と同じ配分を得ることができたわけです。
お互い譲り合っていれば、初めから喧嘩をすることもなかったんですね。遺言は、3人仲良くしなさい、との父親からのメッセージだったのかもしれません。
いかがだったでしょうか、面倒な計算なしでも頭を使う面白い問題を3問紹介させていただきました。少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。