夕立のアンティオキア ―パイサの生き方―

今春から新大学生 バレンティナ・ベラスケス(4話)

この記事は約4分で読めます by ユースケ“丹波”ササジマ

オフィス303の元社員、ユースケ“丹波”ササジマがコロンビアの女性にインタビューしていく連載企画。今回は、バレンティナ・ベラスケスさんへのインタビュー最終回です。結婚や将来の夢について話を伺いました。

ゆーすけたんばささじま
ユースケ“丹波”ササジマ

株式会社オフィス303の元社員。黒豆で有名な兵庫県丹波篠山市出身。2017年に日本を飛び出して1年ほどラテンアメリカ諸国を行脚する。現在はライターやフリー翻訳者として働きながら超低空飛行で生き延びる。

結婚よりもウニオン・リブレ

バレンティナのお父さんって靴の修理屋さんで、いつも僕の妻の実家近くの路上で道具を広げて仕事されてるよね? 昔からあの場所で靴の修理をしてるの?

笹島

そうですね。ずっとその仕事をしてるみたいですよ。私のおじいちゃんも靴の修理屋をしてて、小さい頃から仕事を教わってたらしいです。

バレンティナ

なるほど。代々続いてるんだね。

笹島

ひいおじいちゃんが何をしてたかは知らないですけど。ちなみに、父は靴の修理だけじゃなくて、頼まれたら家の塗装をやったり屋根の修理もしてます。

バレンティナ

いろいろされてるんだ。お母さんは何の仕事をしてるの?

笹島

家政婦してますね。週に2回なじみの家の掃除をしてます。その2日以外は妹の世話をしています。妹ももう15才なんで世話しなくてもいいくらい大きいんですけど(笑)

バレンティナ

ところで、結婚についてどう思う?

笹島

子どもはほしいですけど結婚はしたくないですね・・・。たとえば、結婚して子どもがいる夫婦が一緒にビジネスしてたとしますよね。その夫婦が離婚したら妻が子どもと一緒にいるかわりにそのビジネスが夫のもになることが多かったり、離婚した後もそういう財産分与で争いがずっと続いたりとか、そういう不利益とかめんどくさいこととが嫌だなって・・・。

バレンティナ

じゃあウニオン・リブレでっていう感じがいいんだね。

笹島

※事実婚のこと。

そうですね。お互い他のパートナーがいて、本当は離婚したいけど別れた相手にビジネスを取られないために結婚関係を続けてる夫婦とかわりといて、そういうの見てると結婚はいいかなって感じてます。

バレンティナ

二人の他人が一緒に暮らすわけだから最初はよくても時間がたてばいろいろ問題が出てくるからね。俺も他人事じゃないけど(笑)

笹島

問題が起こって仲違いする夫婦もいれば、それでもお互い好きで尊敬しあってて最終的にうまくいく夫婦もいるんで難しいんですけど、自分がどっちのケースになるかわからないんで、もっと気楽な関係がいいですね。

バレンティナ

自分は後者のタイプの夫婦でありますように・・・。

笹島
振り返るバレンティナさん

夢はTVキャスター

将来の仕事について聞きたいんだけど、大学では情報技術を勉強するから、卒業したらプログラマーとかそっち方面の仕事につくの?

笹島

そうですね、やっぱり自分の研究分野の仕事をすると思います。それか、自分がそういう仕事には向いてないって感じたらほかの自分が熱中できることを勉強し直すと思います。

バレンティナ

なるほど。ほかに勉強してみたいことってあるの?

笹島

じつは、TVキャスターになりたいと思ってて、そのためにソーシャルコミュニケーションを学びたいですね。

バレンティナ

※人類学、社会学、哲学、ジャーナリズム、心理学などを横断的に包括した学問分野。

ほんとはそっちを学びたいんだ。情報技術を学ぶのは奨学金のためって言ってたもんね。

笹島

そうですね。情報技術も興味ないわけじゃないですけど、本当に学びたいのはそっちです。キャスターになって世界のいろんなところにいっていろんなことを自分の目で見てみたいですね。

バレンティナ

こんな可愛い子が出てたら毎日テレビ見るよ。こっちにはキャスターになるための学校とかあるの? もしそういうのがあれば、情報技術の勉強と平行して通えるのかな。

笹島

ありますけど、大学行きながらは難しいですね。勉強しながら、交通費とか学費をまかなうために働かないといけないんで、たぶん時間がないです。

バレンティナ

たしかにそうなると厳しいね。じゃあ、やっぱりメインは大学でしっかり勉強して、卒業したら自分の研究の関連分野で仕事を探すって感じになるんだね。

笹島

そうですね。とにかくしっかり勉強して学位をとることが大事なんで、キャスターの夢についてはそれから考えます。

バレンティナ

大学は何年で卒業するの?

笹島

私の専攻だと4年ですね。

バレンティナ

卒業するときは21才だからそれからでも遅くないね。いつかその夢が叶うことを願ってます! インタビューはこれで終わりです。ありがとうね!

笹島
ブランコに乗る二人

CREDIT

クレジット

撮影・聞き手・執筆
株式会社オフィス303の元社員。黒豆で有名な兵庫県丹波篠山市出身。2017年に日本を飛び出して1年ほどラテンアメリカ諸国を行脚する。現在はライターやフリー翻訳者として働きながら超低空飛行で生き延びる。