私たちは、絵本をつくる絵本屋です。ニジノ絵本屋

“覚悟”をもった人たちと息の合った仕事をする

この記事は約3分で読めます by 野田浩樹

ニジノ絵本屋さんは、絵本を売るだけでなく、絵本を作っています。
国内から海外までいろいろな場所でイベントもしています。
今回のインタビューでは、いしいさんが考える「うまくいく仕事のコツ」にせまってみます。

いしいあや
絵本専門店「ニジノ絵本屋」代表。2011年に「ニジノ絵本屋」をオープン。2012年より出版事業をはじめる。絵本にまつわるLIVEパフォーマンスやワークショップなどのイベントを国内外で開催している。

お店を拝見すると、とてもいい循環でお仕事が回っているように感じます。コツは、どんなことでしょうか。

野田

私はこれまで、会社員として人事の仕事などを長くしていて、社会に出たらいろんな人がいるから、合わない人ともやっていくのが大人だと思っていました。けれど、それだとパフォーマンスが下がるなと、この仕事をしているとつくづく思います。

いしい

パフォーマンスという言葉が、やや意外です。

野田

どんな仕事でも、パフォーマンスを上げていかないといけないですよね。限られた時間、限られた資材、限られた資金の中で、何か最高の物をと思ったり、継続させていくためにきちんとしていかなきゃいけないと思ったりした時に、合わない人との仕事は、満足のいく結果にはつながらないです。

いしい

経営者として、そういう考えにいたったのでしょうか?

野田

自分は、以前は雇用されていて、今は雇用する立場にあります。この差は大きいと思います。そこには責任がありますから。雇用されていた時には、何かあったとしても、環境のせいにできる部分がありますよね。合わない人がいるのはまあしょうがない、というふうに。でも、今この立場だと、それをしょうがないで片づけるのは、リスクが高すぎると感じます。

いしい
こんな素敵な空間で、お仕事をされています。

一緒に仕事がしやすい人と感じるのは、どんな人たちですか?

野田

私の周りにいる作家さんやミュージシャンの方たちを見ていると、大人だなと感じる人が多いです。アートで生きていこうとか、クリエイティブで生きていこうっていう人達は、鋭く周りを見ているし、周りを大事にしている人が多いです。だから、みんな一緒に仕事をしやすいです。

いしい

大人だなと感じるというのは、つまり、どういうことなんでしょうか。

野田

覚悟があるように思います。これで生きていくっていう覚悟ですね。皆さんの周りでもあるかもしれないのですが、職場の人でイライラすると周りにあたってしまう人や、無視したり、声を荒げたりする人と働いた経験ってないですか? 私もこれまでの社会人経験の中で、色々な人と働いてきましたが、今は周りにそういう人はほとんどいないです。だって、それをしたら、それで信頼を失ったら、生きていけないですから。だから、そこに対して覚悟がある方が多いと感じます。

いしい
店内のさりげないポップにも、お店のスタッフのクリエイティブセンスが光ります。

大人ですか。永遠のテーマのような言葉です。

野田

とは言っても、クリエイティブなことをしているから、少年の心を持っている人はたくさんいます。そして、優しい人が多いです。絵本で知り合う人って、やっぱり優しい人が多くて、みんな素敵な大人だなって思います。

いしい

出会いとか、人と人とのつながりが軸にあるお仕事なのですね。

野田

そうですね、それしかないんじゃないでしょうか。ですけれど、一方で、軸には世界観があると思います。好きなものとか、そういったものが反映されている仕事が、よい仕事になるんだと思います。やっぱり、なんでもいいわけじゃないんです。どうやったら絵本が素敵に見えるかなどのこだわりが、大切なのかなと思います。

いしい

絵本とライブの意外な組合わせ

CREDIT

クレジット

執筆
東京生まれ。ブルーベリーを育てる事と動物が好きなナイスガイ。世界ネコ歩きは毎週欠かさず見ている。プログラマーをしていたはずが、なぜか47にして営業に。
構成
丑年生まれの編集者。3人の子どもが全員学齢期となり子育てが格段にラクになってきたので、自分の人生を取り戻すべく、楽器演奏の趣味を復活させようと助走をつけている。最近「Official髭男dism」を熱烈に応援するという新たな趣味も加わった。
撮影
千葉県千葉市美浜区出身。ゴースト・オブ・ツシマにはまってます。パンダが好き。
撮影
某研究学園都市生まれ。音楽と東京ヤクルトスワローズが好き。最近は「ヴィブラフォンの入ったレアグルーヴ」というジャンルを集めて聴いている。