アーティスト稲葉怜を中心に立ち上げた『砂漠の水プロジェクト』始動

モデル、タレントとしても活躍するアーティスト・アダムス亜里咲さんインタビューvol.1

この記事は約8分で読めます by 常松心平

着物の糸を貼り付ける独自の「繊維画」で作品を作り出す、アーティストの稲葉怜さん。7月から、稲葉さんが立ち上げたアートプロジェクト『砂漠の水』が始まりました。今回は、KAISUでの展示に参加した、モデルやタレントとしても活躍をしているアーティストのアダムス亜里咲さんに、幼少期から現在までのお話や、個性的なキャラクターの作品への思いをおうかがいします。

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アダムス亜里咲
モデル・タレント。東京生まれ。3歳からラスベガスで育つ。父はアメリカ人、母の両親は日本人と中国人。子どものころからアートに興味を持ち、シカゴ美術館附属美術大学(SAIC)にて油絵や彫刻を学ぶ。2018年春に拠点を日本に移し、モデル、タレント、ナレーションなどさまざまな分野で活動中。
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東京で生まれ、3歳からアメリカへ

亜里咲さんは、お父さんがアメリカ人で、お母さんが日本と中国のハーフなんですよね?

遠山

そうですね。おじいちゃんが中国人で、おばあちゃんが日本人です。

亜里咲

出身は日本になるんですか?

遠山

はい。東京です。

亜里咲

最近アメリカから日本に戻ってきたと聞いたのですが、何歳の時にアメリカに渡ったんですか?

遠山

アメリカに行ったのは3歳のときです。

亜里咲

じゃあ小学校や大学もアメリカの学校に?

遠山

そうですね。高校は、アートの専門学校に通っていて、大学はシカゴの美術大学に通っていました。

亜里咲

大学では何を学んでいたんですか?

遠山

油絵と彫刻の勉強をしていたんですけど、結構いろいろ学べる学校だったので、ペインティングや生地についても勉強していました。

亜里咲

アートのことは一通り学べる学校だったんですね。

遠山

そうなんです。いろいろ興味があったので、幅広く学べるその学校にしました。

亜里咲

アートにはいつから興味があったんですか?

遠山

5、6歳くらいのときからだと思います。勉強が苦手だったのでアートの授業がすごく楽しくて、休み時間はすぐにアートルームに行ったりしてました。

亜里咲

アートルームっていうのがあるんですか?

遠山

はい。休み時間の時とかはカフェテリアに行くこともできるし、アートルームでご飯を食べたり、自分の終わってない作業とかがあったら作業もできるんです。

亜里咲

いいですね。日本にはあまりない制度なので。

遠山

私はアートルームでずっと作業してました。

亜里咲

大学を休学して日本に

日本にはいつ戻ってこられたんですか?

遠山

3年前の、5月15日!

亜里咲

そこまで覚えてるんですね!(笑)何がきっかけで日本に戻ってきたんですか?

遠山

日本のファッションやアートにすごく興味を持っていたので、いつかは東京に住んでみたいなっていう気持ちがあったんです。その時に日本語の勉強もしていたので、学校にはいつでも戻れるからとりあえず日本に行ってみようと思って。

亜里咲

学校を休学して日本に来たということですか?

遠山

そうです。

亜里咲

じゃあまた戻る予定があるんですね。

遠山

日本がすごく好きなので、多分ないと思う(笑)

亜里咲

なるほど、なるほど(笑)

遠山

日本で活動したいんですよね。

亜里咲

ご両親も一緒に戻ってこられたんですか?

遠山

1人で来ました。

亜里咲

そうなんですね!日本語はもともと今みたいにスムーズに話せたんですか?

遠山

いや、東京に引っ越してきてから喋れるようになりましたね。

亜里咲

約3年でここまで話せるのはすごいですね!

遠山

まだまだ毎日勉強中です。

亜里咲

自分のお守りとして作ったキャラクターの数々

亜里咲さんは今アーティストとして、粘土細工をメインに活動されているんですか?

遠山

あまり決めてないですね。でも今はアクセサリーに一番集中していて、髪飾りをたくさん作っています。自分自身、洋服が結構シンプルなものが多いので、アクセサリーで楽しむことが好きなんですよね。

亜里咲

テレビに出られる時のヘアスタイルもすごく可愛いですよね。

遠山

ありがとうございます!いつもすごいリクエストしてます。クレイジーヘアーにしてくださいって(笑)

亜里咲

お部屋を見る限り、アクセサリー以外のものも今回作ったんですか?

遠山

今回の個展に向けてチャレンジもしたいと思ったし、やっぱり自分の表現したいものはいろんな素材を使った方がいい気がしたので、手縫いのぬいぐるみとかも作りました。

亜里咲

このキャラクターたちは何かコンセプトがあるんですか?

遠山

すべてが、お守りキャラとして自分に作ったものなんです。最初は3年前に東京に引っ越してきたときに自分を守ってくれる存在が欲しくて、うさぎとおじさんのハーフの「うっさん」を作ったんです。そしたらうっさんの家族や友達のこともいろいろ考えはじめて、今ではたくさんのキャラクターが生まれました。

亜里咲
うさぎとおじさんのハーフ「うっさん」

うっさんを中心にどんどん広がっていったんですね。それぞれキャラクターが個性的ですが、何をイメージして作られているんですか?

遠山

キャラクターを最初に作りはじめた時は、あまり何もイメージしないまま粘土でくねくね作り始めたんですけど、もともとリラックマが大好きだったので、自分もそういう癒されるキャラクターを作りたいと思ったのが1つのきっかけでしたね。あとは、自分の今まで感じてきた気持ちや経験を作品に反映させてるというのもあります。

亜里咲

じゃあデザインの発想は、作りながら生まれるんですか?

遠山

そうですね。東京ってすごく賑やかじゃないですか。だから例えば、原宿に行く時に見かけた色とか、個性的な衣装を着ているかたを見て、インスピレーションが沸くこともあります。

亜里咲

東京が、亜里咲さんの作品のひとつの材料になっているんですね。

遠山

多分東京に引っ越してなかったら、こういう作品は作れなかったと思います。

亜里咲

自分のコンプレックスを作品に

このキャラクターたちって、亜里咲さんがこういう存在が欲しいと思って作り出されるんですか?

遠山

そうですね。例えばうっさんは手足がすごく長いのが特徴なんですけど、これは私がモデルを始めた時に、周りに手足が長い人が多い中、子供の頃からのコンプレックスだった自分の大きい足を思って作ったんです。そういう自分の嫌な部分とかも作品にすることで、そこからもっと好きになれると思うので、1人ずつ、自分の足りない部分とかを考えながら作ってます。

亜里咲

亜里咲さんの感情が動いたり、コンプレックスを感じたときに作品が生まれることが多いんですね。

遠山

そうですね。この足の花瓶も、自分のコンプレックスだった足を花瓶に入れたらお花みたいに綺麗かなと思って、思いきり足を大きくして花瓶に入れてみたんですよ。

亜里咲
「足の花瓶(大)」

考え方が素敵ですね。

遠山

ありがとうございます!

亜里咲

粘土細工って、どういうふうに作ってるんですか?

遠山

髪飾りだと、粘土で形を作ったら、専門のオーブンで焦げないように焼いて、アクリルなどを塗って質感を出して、最後にコーディングを何回もして完成します。だいたい1個4~6時間くらいですかね。

亜里咲

粘土細工以外にはどういうアート作品を作っているんですか?

遠山

アクリルやウール、毛糸を使った作品なども作っています。

亜里咲

今までも展示会に出たりしたことはあるんですか?

遠山

高校生の時に、他の学校の学生とグループ展みたいなものはやったことがあるんですけど、今回みたいに、個展のように一部屋使って展示するのはこれが初です。

亜里咲

キャラクター誕生の原点は「うっさん」

この展示の中で、思い入れのある作品はありますか?

遠山

きっかけはやっぱりうっさんなので、この作品には思い入れがありますね。彼を作ってなかったらその周りのキャラクターも生まれてないので。

亜里咲

キャラクター全員にストーリーがあるんですか?

遠山

うっさんだけにストーリーをあげたら可哀想だと思ったので、みんなにもちゃんとあります。全員に気持ちを込めて作ってるし、自分の経験の塊として作っていますね。

亜里咲

亜里咲さんが作品の一部になってるということなんですね。

遠山

私も入ってるんですけど、やっぱり私を守ってくれるっていう両方がありますね。これ(写真)が最初に出来上がったシリーズなんですけど、この子たちが本当に大好きで、普段でもつけたいと思って指輪や髪飾りなどのアクセサリーを作りはじめました。

亜里咲
最初に出来上がったシリーズ

アーティストとしては、他に何か活動をされてるんですか?

遠山

アーティストのインスタグラムはあるんですけど、それ以外の活動はまだできていないんです。だから今回も、自分が展示会に出られると思っていなかったので、主催者の稲葉さんに誘っていただいて本当に感謝してます。

亜里咲

※アーティストとしてのインスタグラム
https://www.instagram.com/arisaadamsart/?hl=ja

将来、自分のブランドを作って、アクセサリーのショップを立ち上げたいっていう願望とかはあるんですか?

遠山

あります! 今ちょうどブランド名とかを考えていて、名刺とか細かい部分もいろいろ作っていきたいと思ってます。

亜里咲

ご自身でブランドのモデルもできますもんね。

遠山

そうですね!

亜里咲

次回は、アーティストとしての今後の目標や、モデル、タレント業についても聞いていきたいと思います!

遠山

CREDIT

クレジット

聞き手
303 BOOKS(株式会社オフィス303)代表取締役。千葉県千葉市の埋めたて地出身。バイク雑誌、パズル雑誌を経て、児童書の編集者になる。本は読むものではなく、つくるものだと思っている。
執筆
フリーのライター兼プランナー。フードスタイリストやウイスキー検定の資格を持つ。趣味は料理やお酒。一人でどんなお店にでも入れるため、取材も積極的に行う28歳。人との繋がりとコミュニケーションを大切に、遊びも仕事も全力で取り組みます!
撮影
千葉県千葉市美浜区出身。ゴースト・オブ・ツシマにはまってます。パンダが好き。
撮影
某研究学園都市生まれ。音楽と東京ヤクルトスワローズが好き。最近は「ヴィブラフォンの入ったレアグルーヴ」というジャンルを集めて聴いている。