こんばんは。オフィス303、編集アシスタントの熊田です。
このたび、リモートワークミュージックに続き『映画のコラム』を書かせていただけることになりました、嬉しいです!
しかしですね、私、映画にあまり詳しくないのです。大好きなのですが、好きな映画を繰り返し見てしまうタイプ。それに、長編映画は、「よしっ、観るぞ!」と気合いが入りますし、せっかく見るなら途中で止めたくないというこだわりもあり…。
やはり、ドラマやアニメならば短時間で区切られるので、時間がなくても、ちょっとした休憩や寝る前に見られたりして、気軽ですよね。
そこで今回は、「長編映画をみたいけど時間がない、でも、映画で感動したい!」という、私のようなワガママさん向けに、スキマ時間でもみられるような、『短編映画』をオススメさせて頂きます。どうぞ、お手柔らかに!
ニュー・サブスク・パラダイス
奇才ウェス・アンダーソンの映画世界
平成10年生まれの山羊座。趣味はギター。石田衣良小説と堤幸彦作品、そしてチャイが好物。
はじめに
現在、短編映画はYouTube上でも多く公開されており、無料で鑑賞することが可能です。また、短いもので3分と、ミュージックビデオを観るような感覚で楽しむことができるのも特徴。今回は、鑑賞し易い作品から順に、紹介していきたいと思います。
Golden
最初に紹介させていただくこの作品は、とある女性の出産シーンから始まります。この映像を再生してからほんの数秒で、きっと誰もが、タイトルである「Golden」の意味を理解することになるでしょう。この作品にはセリフがなく、終始音楽だけが流れています。
しかし、人と違う見た目を持ち、「このような悩みを持つのは自分だけだ。」とコンプレックスの殻に閉じこもっていた少年が、とある出会いをきっかけに、別人のように変化、成長していく姿に、自然と惹き込まれていく驚きがありました。
この作品は同性愛をテーマにしている点からも評価され、数々の映画祭で受賞し、米フロリダのクラブPulseでの銃乱射事件を受けると、Youtubeでも公開されました。
様々な社会問題を取り込んでいることもさながら、私個人の感想ですが、こんなに奇天烈な発想で、一歩間違えるとバラエティ番組になってしまいそうなヴィジュアルで、こんなにもわかりやすく、他人との違いへの葛藤を表現ができるのかと、表現方法にとても驚きました。
カップラーメンにお湯を入れて待つ3分間で、ぜひチェックしてみてくださいね。
Old man Young man
続いて少し長くなり、10分超えの作品です。まずこの作品、アニメーションなのですが、なんと、全編切り絵のコマ撮りで撮影されていて、細部まで非常に美しいです。
更に、ギター好きは必見! 作中、おじいさんと青年がアコースティックギターを演奏するシーンがあるのですが、おしゃれなセヴンスコードやペンタトニックをしっかり押弦しているこだわりを感じ、プレイヤー心をくすぐられました。
この物語では『音楽』が軸となり、セリフは一切ありません。しかし不思議と、老若男女どんな方でも理解し、楽しめる作品になっています。
子供が成長するということ=大人が老いていくということ。
不器用ながらも心優しい祖父の愛情がわかるラストシーン、11分後には瞳が潤んでしまいました。生と死がテーマの作品ですが、暗くなく、じんわりと心温まる作品ですので、穏やかな気持ちになりたい時にオススメです。
頭山
この頭山(あたまやま)、「え、これYouTubeで見ちゃっていいの?」と思うほど素晴らしいクオリティの作品で、調べてみると、やはり数々の映画祭で賞を獲りまくっていました。
もとは落語の『あたま山』というおはなしを、現代の東京を舞台にアニメーションでの新解釈を試みた作品だそう。
あまりにもケチな男が、道で拾った「さくらんぼの種」を食べたため、あたまに桜が生えてしまう。そこにあつまる花見客が騒がしく、桜をあたまからひっこ抜くと、その穴に、池ができてしまう。
正直、終わりはちょっとダークで子供にはトラウマになりそうですが、作画のクオリティと、落語っぽいシナリオの奇天烈さが、とてもくせになります。
映画が好きな人も、落語が好きな人も、楽しめる作品です!
On Your Mark
ジブリファンの間で隠れた名作との呼び声高いこの作品。もともとはCHAGE and ASKAの『On Your Mark』という楽曲のMVとして制作されたもので、1995年に『耳をすませば』の同時上映として放映されたようです。(是非劇場で、鑑賞したかった…。)
終始『On Your Mark』をBGMにセリフなく進んでいくこの作品。時代は未来なのか?
2人の警察官の青年が、謎の組織のアジトに突入する際に、翼の生えた少女を見つけ保護するところから、物語が始まります。この作品はなんとも不思議で、何度も時間軸が行き来するため、おそらく観る人によって解釈が異なる作品だと思います。
しかし、たった6:49の作品だとは思えない壮大さが、さすがジブリです。是非長編でみたくなりますが、宮崎駿監督は、「長編化はない」と、はっきりおっしゃったそう。
「On Your Mark」は、『ジブリがいっぱいスペシャル ショート ショート』という短編集DVDに収録されており、レンタルビデオショップか、中古ビデオ店などで入手が可能となっていますので、是非1度、機会があれば観ていただきたいです。個人的には苦労しても観る価値ありの、大好きな作品です。
番外編「ビザと美徳」
最後に、「ビザと美徳」という作品を紹介します。この作品は、私の大好きな日本の偉人、「杉原千畝」の偉業を描いたものです。
私がこの作品を初めて観たのは小学校低学年の頃。たまたまついていたチャンネルでこの作品が流れており、第二次世界大戦中、名誉を顧みず、多くのユダヤ人の命を救った主人公が日本人だとわかると、私はこの人物について多大な興味を持ったことをよく覚えています。
後ほどこの作品を調べると、1998年、第70回アカデミー賞でタイタニックが最優秀作品賞を獲った年に、最優秀短編実写映画賞を受賞していました。また、この作品の制作国はアメリカで、アメリカの俳優が日本人の役を演じ、メジャーではなかった杉原千畝という存在を、映画を通じて世界に広めてくれたという事実に、感動せざるを得ませんでした。
「ビザと美徳」は、残念ながらサブスクでは視聴ができず、現在TSUTAYAなどのレンタルショップでの取り扱いがあるようですが、店舗での在庫確認をしていただきたいです。
また、2015年に日本で制作された唐沢寿明さん主演の「杉原千畝」は、現在NETFLIXやHuluなどの配信サービスで視聴可能ですので、こちらと合わせて観ていただくのも、日本サイドとアメリカサイドの視点の違いを、楽しめるかと思います!
終わりに
今回紹介した作品以外にもまだまだオススメの作品があり、選抜にとても悩みましたが、この記事をきっかけに、短編映画を楽しんでいただけたら嬉しいです!
そして私、ちゃんと長編の映画も好きなので、また機会があったら、記事を書きたいと思います! それでは皆さん、体調と体型に気をつけてお過ごし下さい!