夕立のアンティオキア ―パイサの生き方―

グラフィティ・ツアーガイド エステファニア・アランゴ(4話)

この記事は約3分で読めます by ユースケ“丹波”ササジマ

オフィス303の元社員、ユースケ“丹波”ササジマがコロンビアの女性にインタビューしていく連載企画。今回は、エステファニア・アランゴさんへのインタビュー最終回です。これからの展望について話を伺いました。

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夕立のアンティオキア ―パイサの生き方―

ユースケは何しにコロンビアに?

当面の目標は高校卒業

ガイドの仕事する前は何をしてたの?

笹島

ガイドの前は、ポブラド※でオレンジジュースを売ってたよ。

エステファニア

それは高校を卒業してから?

笹島

いや、というかまだ高校卒業してないの。

エステファニア

そうなんだ。でも卒業する予定はあるの?

笹島

もちろん。最近はいいかげん卒業したいなって思って、毎週土曜と日曜に学校行こうと思ってて。

エステファニア

週末でも学校開いてるんだね。

笹島

高校の課程を修了していない大人のためのプログラムがあって、そのプログラムでは仕事をしてる人でも授業をうけられるように土曜日でも日曜日でも空いてる。

エステファニア

なるほどね。時間割りはどんな感じなの?

笹島

私の場合は朝の6時から夕方の5時まで。

エステファニア

けっこう長いね! まあ平日は仕事してるからそうやって集中的にやるしかないよね。学校行ってる間は子どもたちはどうするの?

笹島

お母さんとか家族が面倒みてくれるよ。

エステファニア

そっか。それは心強いな。で、学校はあと何年で卒業できる予定なの?

笹島

あと3年くらいだね。あと少し。

エステファニア

3年なんてあっという間だよ。頑張って!

笹島
カメラを見つめるエステファニアさん

バイリンガルガイドを目指して

高校卒業のほかになにか目標というかしたいことってある?

笹島

英語の勉強かな。この先もガイドをしようと思っててスペイン語でも英語でもガイドできるようになりたいな。

エステファニア

英語もできるにこしたことないもんね。そのぶんお客さんが増えるし収入も増えるし。どこで勉強するの?ネットで?

笹島

自宅にネットがないから、まずは無料の教室とかあるからそういうところで勉強しようかなって思ってる。

エステファニア

Comuna13に来る外国人と仲良くなって言語交換することもできるし、学ぶ方法はいろいろあるからね。ところで、観光客がすごい増えてるって聞いたけどなにか問題とか起きてないの?

笹島

そうね、前もチラッと言ったけどガイドもたくさん増えてちょっと、観光客の取り合いみたいになってるのよ。それで、たまにガイド同士がお客を巡ってケンカすることがあるよ。

エステファニア

そうなんだ。エステファニアはケンカしたことある?

笹島

ないない(笑) 私の所属してるところでは一週間でガイドする人数が決められてるから、ケンカは起こらないよ。

エステファニア

そういう取り決めがあったほうがいいよね。

笹島

あと、最近になって、最近になって当局がツアーガイドの公認ライセンスを持ってないって理由でガイドをやめさせる動きもあるから、今の仕事ができなくなるかもしれないのよね。

エステファニア

Comuna13のグラフィティツアーガイドしてる人の中で当局公認のガイドライセンス持ってる人ってそんなにいるの?

笹島

たぶんいないんじゃないか・・・。観光地になってガイドっていう雇用が生まれたのに、こういう形で働く機会が奪われると、私みたいにガイドの仕事で生計を立ててる人も多いから、そうなるとたいへんよね。

エステファニア

だよね。でも、そのライセンスを取ることも考えてるんでしょ?

笹島

もちろん。ガイドとして働き続けるために必要なら取るしかないからね。それに、子どものためにもとにかく働かないといけないから、ポジティブに頑張るよ!

エステファニア

そうだね! とにかく前向いてできることをやるしかないもんね。じゃあ、インタビューはこれでおしまいです。長々とありがとうね!

笹島
微笑むエステファニアさん

CREDIT

クレジット

撮影・聞き手・執筆
株式会社オフィス303の元社員。黒豆で有名な兵庫県丹波篠山市出身。2017年に日本を飛び出して1年ほどラテンアメリカ諸国を行脚する。現在はライターやフリー翻訳者として働きながら超低空飛行で生き延びる。