書店クエスト

リーズナブルなランチ

この記事は約4分で読めます by 野田浩樹

こんにちは、野田です。

のだひろき
野田浩樹

東京生まれ。ブルーベリーを育てる事と動物が好きなナイスガイ。世界ネコ歩きは毎週欠かさず見ている。プログラマーをしていたはずが、なぜか47にして営業に。

    営業の楽しみと言えば、ランチがあげられるんじゃないでしょうか。あちこちの駅で人気のお店が楽しめるし、なんと言っても交通費が会社持ち!食べ歩きサイコー!!

    しかしですね、加藤と一緒に営業をする場合は、当然相手の好みも関係してくるわけです。自分の好みを押し付けるだけでは良い人間関係は築けません。何を食べたいか聞いてみましょう。ベテランですから穴場のお店を知っているかも知れません。

    かとうかずあき
    加藤千有幾

    愛知県三河地方出身。ホームセンターから出版業界へ。様々なジャンルの営業を経験し303 BOOKSへ。何よりも書店に入った時の「本の香り」が好き。

      加藤さん、今日はお昼どこで食べます?

      野田

      何でもいいですよ。

      加藤

      ここら辺でお薦めのお店はありますか?

      野田

      うーん、特にないかなあ。私、食にあんまりこだわりないんで。

      加藤

      美味しかったお店とかないんですか?

      野田

      カレーかなあ、私カレー好きなんで。ココイチとか大好き。

      加藤

      ココイチいいですよね、ルーに特徴ないけど、クセがないから飽きがこないですよね、庶民派の味というか。

      野田

      そうそう! 私毎日ココイチでもいいくらいです。

      加藤

      キレンジャー・・・

      野田

      キレンジャーとは、スーパー戦隊シリーズ「ゴレンジャー」の一人で、しょっちゅうカレーを食べてるシーンが映る人です。ゴレンジャー世代のおっさんの一部はカレー大好き人間の事をキレンジャーと呼ぶ習わしがあるとかないとか。

      じゃあ今日はカレーにしますか。

      野田

      そうしましょう。

      加藤

      と言うわけでその日はカレーを食べました。そして翌日。

      加藤さん、今日は何を食べますか?

      野田

      ちょうどあそこにカレー屋さんがあるからカレーにしません?

      加藤

      カレーは昨日も食べたじゃないですか、今日は別の物がいいかな。

      野田

      え、そんなに毎日違う物が食べたいですか?

      加藤

      当たり前ですよ。昨日と同じとか、家のカレーじゃないんだから。飽きますよ。
      ココイチは飽きがこないとは言ったけど、連日はちょっと。

      野田

      そうですか。私は毎日カレーでも気にしませんけど。

      加藤

      これは・・・牛丼とか一週間連続でも気にしないものぐさなタイプがたまにいますが、そういうタイプなのか? それとも単なるキレンジャーでカレーだけ食べていたいタイプなのか?

      どっちにしろきちんと確認を取っておかないと、今後のランチに影響します。仕事なんかよりよっぽど重要なかなかヘビーな案件ですね。

      加藤さんは一週間連続で牛丼とかでも大丈夫なタイプなんですか?

      野田

      食べる事に興味がないんで、何でもいいんです。食事しなくても死なないなら食事しませんね。

      加藤

      ものぐさを超えて、錠剤で食事を済ませるようなSF食バンザイなタイプでした。こういう人がいる事は知っていましたが、実際に見たのは初めてです。

      ともかくこれで方針は決まりました。ランチはこっちが主導権を握るべし。このおっさんに任せていたら私のランチタイムが大変な事になります。

      とにかく昨日もカレーだったんだから、今日は別のものにしましょう。

      野田

      そうですか・・・野田さんってグルメなんですね。

      加藤

      いや、この程度でグルメとかないから。

      野田

      美味しんぼに謝れと言いたい。とにかくここらで美味しいと評判のお店をネットで検索します。こういうタイプだとランチにあまり高い金額を払いたくないだろうから、800円くらいが落とし所かなあ。1,000円以上でも文句は言わないだろうけど、こっちの気が引けるしなあ。

      そんなこんなで結局その日は800円台のお店にしました。人とランチを食べるのって、なかなか難しいですね。美味しい、リーズナブル、ボリューム等など、相手の好みも押さえないとならないし。

      そして先日、今度は一人で某所に営業に行きました。一人なので好きな物を食べるぞー。オシャレな街として有名なとこなので、ここは色々期待できるんじゃないでしょうか。検索すると「人気のランチ」「外さないお店」等のタイトルがずらりと引っかかってきます。

      リーズナブルな~とかの文字も見えるんで、このサイトを選んで、と。オシャレな街なんで金額がちょっと気になってたんですよ。ランチに3,000円とか言われてもねえ? こちとら貧乏サラリーマンなんでランチにそんな値段はかけられませんよ。リーズナブル大賛成です。

      えーっと、どれどれ・・・おお、写真もオシャレじゃないですか。でも、お高いんでしょう? などと思いながら値段を見てみると。

      ¥15,000~¥19,999

      (リーズナブルなランチだって言ってんだろ!!)

      野田

      思わず心の中で突っ込んでしまいました。全然リーズナブルじゃないじゃん! 画面をスクロールさせて行くと、¥10,000オーバー当たり前の世界です。どこの世界にランチでそんなに使うサラリーマンがいるっちゅーねん。しかしサイトを流し見すると、「リーズナブルで奥様方にも好評」とかそんな文面が。え、どういう事? この金額が好評なの? ちょっと何言ってるかわかんないですね!(怒)

      「リーズナブルなランチ」という言葉の概念が崩壊している件について。

      CREDIT

      クレジット

      執筆・編集
      東京生まれ。ブルーベリーを育てる事と動物が好きなナイスガイ。世界ネコ歩きは毎週欠かさず見ている。プログラマーをしていたはずが、なぜか47にして営業に。
      イラスト
      1994年、福岡県生まれ。漫画家、イラストレーター。第71回ちばてつや賞にて「死に神」が入選。漫画雑誌『すいかとかのたね』の作家メンバー。散歩と自転車がちょっと好きで、東京から福岡まで歩いたことがある。時代劇漫画雑誌『コミック乱』にて「神田ごくら町職人ばなし」を不定期掲載中。