オフィス303の元社員、ユースケ“丹波”ササジマがコロンビアの女性にインタビューしていく連載企画。今回は、ミチェル・カルバハルさんへのインタビュー最終回です。コロンビアでの結婚に対する考えや将来の夢を伺いました。
夕立のアンティオキア ―パイサの生き方―
ユースケは何しにコロンビアに?
結婚観はそれぞれ
彼氏と付き合い始めて長いんだよね? 結婚したいって思う?
いやー思わないね。
日本では、ミチェルくらいの年頃の女性が結婚しないでいると、「結婚はまだなの?」って催促してくる親がいるんだけど、こっちってそういうこと言う親っている?
いないよ。探せばいるのかもしれないけど、一般的にそんなこと言わないね。基本的に親は子どもがしたいこととか決めたことを尊重するから、そういう催促はしない。
いいねー、それが正しいあり方だよね。昔、親じゃないけど兄に「いつ結婚するんだ」みたいなことを言われたことがあって、「うっせえなこいつ、俺の勝手だろうが」って怒ったときがあったのを思い出したんだけど、そんなのほんとに俺の好きなようにやらしてくれよって話だよね。
兄弟にまでそんなこと言われるんだ(笑)
あと、こっちは「適齢期になった女性は結婚する」みたいな社会通念もないよね。
ないない。今の時代、結婚して子どもがいる人、結婚して子どもはいない人、結婚してなくて子どもがいる人、結婚してなくて子どももいない人とか、たくさんの女性がいろんな形の人生を生きてるから、それぞれが好きなように生きていけばいいじゃんっていう感じ。
俺はそういう価値観のほうが好きだなやっぱり。ちなみにミチェルって兄弟いるの?
一人っ子だよ。腹違いの兄弟がいるけど、一緒に育ってないしほとんど会わないから、名実ともに一人っ子。
そうなんだ。コロンビアも昔は大家族だったみたいだけど、今はそうでもないよね。
そうね、おじいちゃんおばあちゃんの時代は、みんな敬虔なカトリック教徒で、セックスするときに避妊具を使うのが罪深いこととされていたから6~10人くらい子どもがいるのは普通だったらしいね。今は多くて3人くらいじゃない。
だよね。子どもほしい?
いやー子どももほしいとは思わないなー。ペットの犬がほしい。
こっちペット飼ってる人多いよね※。
※日本は約36%、コロンビアは約60%の家庭がペットを飼っている。
ユースケも飼いたくない?
うちにはアリとクモとヤモリがたくさんいるからいいよ。
それペットじゃないよね(笑)
いつか自分の会社を
いま幸せ?
もちろん幸せだよ。というかこっちの人は基本的に幸せだね。
みんな生き生きしてるよね。
そうだね、いつもポジティブ。そこはコロンビア人のいいところじゃないかな。
マイナスなことがあってもすぐにパーティーするもんな(笑)
そうね。会社クビになったら楽しく祝って、パートナーと別れても楽しく過ごす、とにかく前向きだね。
そこらへん、こっちの人は物質的には豊かじゃないかもしれないけど、心はめっちゃ豊かだよね。
結局幸せかどうかって自分が決めることで、別にモノがなくても幸せになれるからね。
さっき、こっちは適齢期になった女性は結婚するっていう社会通念はないって話したよね? そういう通念がないから、これをしたら幸せ、これを持ってたら幸せ、みたいな考えもないのかもね。日本は、コロンビアと比較するとそういう考えが強いと思うんだよね。
そうかもね。コロンビアでもそうやって自分が幸せかどうかを測る人もいるのかもしれないけど、自分の周りでは知らないな。
まあ、いても少数派でしょうね。最後に、将来の夢とか聞いていいかな?
夢は・・・、いつか自分の会社を立ち上げたいね。
それはインダストリアルデザインの会社?
そうそう。いつになるのかわからないけど。やっぱりずっと企業で働くよりかは自分で起業してそれなりに良いお金を手にしてみたいよね(笑)
挑戦する価値はあるよね。今年の目標とかある?
今年の目標かー、ずっとスペインのあるデザイン学校で勉強したいなって思ってて、その学校の通信講座を見つけたから、それで勉強することかな。
そうなんだ。実際にスペインに行けたら行きたい?
そりゃあねぇ。でも、今はお金ないし、家族とも彼氏とも離れないといけないからね。行くなら1年くらい行きたいんだけど、1年も待ってくれるかわからないし。
いつか行けたらいいね。でも、行けなくても起業できるだろうから、とにかくミチェルが自分の会社を立ち上げるのを楽しみにしてるよ! インタビューはこれでおしまい。いろいろ聞かせてくれてありがとう!